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トルコとロシア、シリアでの睨み合いがエスカレート

シリア北東部ハサカ県のカハタニヤ近郊にあるマズカフト貯水池で、シリアのノウルーズ(ペルシャの新年)を祝うために岩の上に立つクルド人の男性、2021年3月21日。(AFP)
シリア北東部ハサカ県のカハタニヤ近郊にあるマズカフト貯水池で、シリアのノウルーズ(ペルシャの新年)を祝うために岩の上に立つクルド人の男性、2021年3月21日。(AFP)
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23 Mar 2021 12:03:16 GMT9
23 Mar 2021 12:03:16 GMT9

アラブニュース

  • シリアのクルド人は、以前からロシアの圧力を受けており、アイン・イッサの支配権をダマスカスに譲るよう迫られている
  • アイン・イッサは、数ヶ月前からトルコ軍とシリア国軍の攻撃の的となっている

アンカラ: トルコは、400万人の人口を抱えるシリア北西部での空爆が活発化していることを受け、ロシアに中断のための協力を要請した。

空爆の標的には病院や燃料施設など、トルコが目指すインフラ整備に欠かせない民間施設が選ばれている。

ミサイルは、イドリブ北部のカーの町と、サルマダ付近のトラックとトレーラーパークを標的とし、数名の民間人が負傷している。

また、シリア軍の砲撃により、反政府勢力が支配する町アル・アタレブの病院が攻撃され、少なくとも7人の民間人が死亡、医療スタッフが負傷している。英国に拠点を置くシリア人権監視団によると、日曜日には、ロシアの空軍機による攻撃が、トルコ国境近くのバブ・アル・ハワにある燃料貯蔵庫を空襲したとされる。

トルコ国防省は、カーの空爆後、ロシアに攻撃を止めるよう求める声明を送ったが、クレムリンからの即時の回答は得られていない。

この要請は、ロシアがシリアのクルド人に対して、戦略的に重要な位置を占めるアイン・イサの町からの退去を求める圧力を強める一方で、トルコにさらなる支配領域を与えないようにする行動を取る中で行われている。

アナリストによると、ロシアのイドリブにおける最近の動きは、地域の不安定化と商業活動の弱体化を狙ったものだという。

しかし、バシャール・アサド大統領の政権とロシアは、あくまでイスラム過激派だけを標的にしていると主張している。

ワシントンにあるニューラインズ研究所のシニアアナリストであるニコラス・ヘラスは、アラブニュースに取材に対して、「トルコはシリアにおいて、必要に応じてロシアを追い込むことができる地域は限られている」と述べた。

「シリアのクルド人勢力は、アサド政権によるシリア全土の支配を再確立するというロシアの政策にとって邪魔な存在だが、ロシアにとってクルド人勢力は、トルコとの交渉や、クルド人勢力を米国から切り離す説得をするための有効な材料でもある」

クルド人勢力が保持するアイン・イッサは、トルコとロシアの間で火種となっている。

ロシアは数日前、アイン・イッサ周辺でのトルコの動きを、2019年10月に締結されたソチ協定に違反しているとみなし、不快感を表明している。

クルド人勢力は、この協定に基づいてトルコ国境から32km後退し、アイン・イッサは国境から37km離れている。

この地域ではトルコとロシアが共同でパトロールを行っており、ロシアはすでにアイン・イッサに調整センターを設置している。

トルコは、シリア北西部で主にクルド人の民兵組織であるクルド人民防衛隊(YPG)を攻撃しており、同勢力と対抗するシリア国軍を支援している。トルコはYPGを、トルコで非合法とされ、トルコ、米国、EUからテロ組織として指定されているクルド労働者党(PKK)のシリアにおける分派とみなしている。

ヘラスは、ロシアがアレッポのYPG支配地域を後見していることは、ロシアにとって有益であり、それらの地域を占領したいトルコ側はそうした事情は熟知していると述べた。

「こうした地域におけるトルコ側の動きは、トルコがシリア北部の支配権をめぐるゲームで、ロシア側を弱体化する手段を持っていることを、ロシア側に伝えることを意図している」

シリアのクルド人勢力は、以前からロシアの圧力を受けており、アイン・イッサの支配権をダマスカスに譲るよう迫られている。

ロシアは、トルコの影響力を制限するために、トルコによるこの地域での軍事行動を避けようとしており、YPGに撤退または軍事的プレゼンスの低下を迫っている。

アイン・イッサは、数ヶ月前からトルコ軍とシリア国軍の攻撃の的となっている。

トルコとロシアの関係に詳しいアイディン・セゼルは、ロシアとの対立が激化することで、トルコがさまざまな面で未達成のコミットメントを思い知らされることになると予想している。

本年1月には、ロシアの政府系ファンドが、トルコと「スプートニクV」ワクチンの共同製造に関する契約を結んだ。

しかし、これまでに何の進展もなく、この協力関係をどのように発展させていくかについて、トルコ側からの声明も無い。

また、セゼルは、トルコがクリミアを支援するメッセージを発したにも関わらず、共同エネルギープロジェクトの約束を履行していないことについて、ロシア側が不快感を示していると述べた。

「シリアにおけるロシアの動きとダマスカスへの無条件の支援は、より広い視点から見るべきである」とセゼルはアラブニュースに語った。「ワクチン問題とは別に、ロシアはトルコがイドリブにおいて、アスタナ、ソチ、モスクワでのイドリブに関する合意に沿って、地域内のすべてのテロリストグループを排除するための行動をしていないことにも不満を持っている」と述べた。

ロシアは、軍事的、外交的、政治的に優位に立っているため、シリアのクルド人を叩くというトルコの長年の言説にはもはや納得していない、と付け加えた。

「したがって、クレムリンは、トルコが日曜日にシリアでの攻撃停止に協力すると発表した後も、何の声明も発表していない。緊張が高まり、意識的にエスカレートした睨み合いが、短期的には地域におけるトルコとロシアのパートナーシップを損う可能性がある」と述べている。

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