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BLM運動のホーク・ニューサム氏、フーシ派によるエチオピア人大虐殺の報道の少なさに驚愕

ブラック・ライヴズ・マター(BLM)グレーター・ニューヨーク支部の創設メンバーであるホーク・ニューソン氏。(スクリーンショット)
ブラック・ライヴズ・マター(BLM)グレーター・ニューヨーク支部の創設メンバーであるホーク・ニューソン氏。(スクリーンショット)
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04 Apr 2021 12:04:33 GMT9
04 Apr 2021 12:04:33 GMT9
  • ホーク・ニューサム氏は独占インタビューで、フーシ派の犯罪犠牲者が白人であれば反響は違っていただろうと述べた
  • 活動家である同氏は、CNN、MSNBC、フォックスニュースを始めとするメディアが3月7日の大虐殺を報じないことを糾弾している

レイ・ハナニア

ニューヨーク市: イランを後ろ盾とするイエメンのフーシ派が管理するサナアの抑留施設で、エチオピア移民が多数殺害された恐ろしい事件は、黒人への差別がどの大陸にも存在することを改めて示す証拠であると、ブラック・ライヴズ・マター(BLM)グレーター・ニューヨーク支部の創設メンバーであるホーク・ニューサム氏が語る。

近年、人種間対立や警察の拘束による黒人の死を引き金として、米国や欧州で繰り返し抗議運動や暴動が発生している。

ニューサム氏は、2020年5月25日にミネアポリスでアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド氏が警察に殺害されて以降、米国の各都市を揺るがしてきた世界的な運動において重要な役割を果たした。

ニューサム氏はアラブニュースの独占インタビューの中で、イエメンでの悲劇は、20世紀初めにニューヨークを拠点に黒人民族主義を掲げてマーカス・ガーベイが提唱した類の、世界的なパン・アフリカ主義的団結が必要であることを示していると語った。

「人種差別は世界中で横行しています。黒人を悪魔と見たてて罵倒するのは、どの大陸でも起きていることです」とニューサム氏はのべた。

「だから私は、人種差別や黒人差別について語るとなるとマーカス・ガーベイの信条を支柱としたくなり、すべての黒人がこの闘争で団結すべきであると考えるのです。そしてその次に、抑圧されたすべての人々のために闘うべきであると」

フーシ派が占拠するイエメン首都の収容所にいた数百人のアフリカ系移民が、劣悪な扱いや環境に抗議してハンガーストライキを実施した3月7日に、武装民兵たちが施設に火を付け、死者を出したのだ。

ニューサム氏は、今回のフーシ派の暴挙について激しい非難がほとんど上がらないことにショックを受けてはいるが、驚きは全くないという。被害者が白人であったならば、反応は全く異なるものであっただろうと彼は考えている。

「これは注目すべき問題です。無視されるべきではありません。私はこれを絶対に無視しません。44人もの人間が殺害されているのに、ニュースが取り扱わないのです」と彼は述べた。

「ニュースで扱わないのは彼らが黒人であるからだと信じる強い根拠が私にはあります。世界中の黒人たちのために闘うのが、私の義務です」

紅海の港湾都市アデンから230キロ東にあるハスンベリード村の海岸の日陰で、新たに到着したソマリア移民たちが休む。(AFP/資料写真)

5人の移民が人権団体であるヒューマン・ライツ・ウォッチに語ったところによると、サナアにあるフーシ派の入国・旅券・市民権取得局の施設は、「窮屈で不衛生で、敷地内の格納庫には最大550人の移民たちが収容されている」という。

これらの目撃者の証言によると、フーシ派の警備員は、移民たちに「最後の祈り」をするように告げると、移民たちが収容されていた格納庫に催涙ガスとスタン手榴弾と思われるものを放ったという。それにより発生した火災が仮設収容所を一気に襲い、数十名が死亡し、それ以上の負傷者が出た。

火災発生の前に、フーシ派警備員が抗議活動の首謀者たちを特定し、棒きれや銃床で殴打したという。

その後、フーシ派は、同組織の黒と緑とグレーの軍服姿で軍用兵器を装備して、格納庫へと戻ってきた。そしてその中の1人が屋根に登り、格納庫内に2発の発射物を撃ち込んだ。

海路でイエメンに密入国したと伝えられるアフリカ系移民たちが、アデン市郊外で車の荷台に座っている。(AFP/資料写真)

格納庫内にいた目撃者たちの話によると、最初の発射物は大量の煙を上げ、涙が出て目に刺すような痛みを生じたという。

目撃者たちが「爆弾」と表現する2発目は、大爆音を上げて火災を引き起こした。

ニューサム氏は、米国や英国のBLM支部集団でさえ、どこからも民衆の怒りの声が上がらないことに驚愕していると語った。

「格納庫に収容され、そこへミサイルや発射物が撃ち込まれて44人が死亡し、逃げようとした人々がその死体を踏みつけていくという目に遭遇したのが、もしも白人グループであったなら、これは世界中の注目を集める問題となっていたに違いないと、私は断固主張します」と彼は言った。

「しかし、報道機関や全世界にある人種差別が、これを問題なしとしているのです。全米の注目はどこにあるのでしょう」

2019年4月23日、イエメンの紅海沿いの港湾都市アデンにあるサッカースタジアム内で、食料や水を受け取るアフリカ系移民たち。(AFP/資料写真)

弁護士の資格を持つニューサム氏は、米警官たちとフーシ派民兵たちに拘束黒人の殺害を等しく許した人種差別主義者の態度は、どちらも同じものだとした。

「亡命を望む罪のない黒人たち、そして単に職を探しているだけの罪のない黒人たちが、殺害されているのです……より良い扱いを求めたというだけの理由で。私はこれを問題視しているのであり、世界もこれを問題視すべきです」と彼は述べた。

「狭い場所に入れられた人々が、軍用武器で攻撃され、反撃することもできず、必死で生き延びようともがいている、そのことを考えたとき、私の胸は張り裂けます。誰もがそれに胸を痛めるべきなのです」

BLMは、10代のアフリカ系アメリカ人、トレイボン・マーティン少年を射殺したジョージ・ジマーマンに無罪判決が出たことを受け、2013年にツイッターのハッシュタグとして登場した運動だ。

2016年9月26日、南部の港湾都市アデンで、ソマリアに強制送還される不法移民たちがボートに座っている。(AFP/資料写真)

それ以降、黒人社会に対する警察の暴力を監視し、黒人の人権問題を支援するために、世界各地に地元の支部グループが発生している。

その中の業績として、グレーター・ニューヨーク支部は、ブロンクスに学校を新設し、コロナ禍で数千人の貧困者に食事を提供し、黒人やマイノリティーの権利を支援する5つの法案を提出して州法として成立させた。

同グループはまた、米国内や世界の黒人たちの活躍を紹介する教育カリキュラムも作成している。

2020年のフロイド氏の死が、この運動に新たな勢いをもたらした。元警察官のデレク・ショーヴィン容疑者は、フロイド氏を逮捕する際に首を9分間以上膝で押し付けて死亡させた罪で裁判を受けている。ショーヴィン被告は殺人容疑も過失致死容疑も否認している。

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ツイッター: @rayhanania

@saeedalBatati

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