
エフレム・コッサイフィ
ニューヨーク:4月15日(木)、国連で世界の大国らがフーシ派武装軍に対し、イエメン沖に停泊させている石油タンカーが崩壊すれば、フーシ派が環境危機への責任を問われることになると警告した。
老朽化が進むタンカー「FSOセイファー号」は、2015年以降イランを後ろ盾とするフーシ派武装軍の管理下にある。そのタンカーは紅海に100万バレル以上の石油を流出させる恐れがあるにもかかわらず、フーシ派は国連がその船へ専門家チームを派遣することを繰り返し阻んでいる。
「フーシ派はいまだに国連評価団を迎えることに合意しない」と英国の国連常駐代表、バーバラ・ウッドワード氏が安保委員会に告げた。「この船はフーシ派の管理下にあり、この問題の責任はフーシ派の肩にかかっている」
ウッドワード氏によると、フーシ派が行動を起こさないなら、その時は英国が安保委員会で今後のステップを協議するという。
先月、フーシ派武装軍の指導者の一人であるムハンマド・アリ・アル=フーシが国連で官僚たちの怒りを買った。彼は、時限爆弾と言われているそのタンカーがもしも崩壊したら、国連が責任をとれと発言したのだ。
国連は、フーシ派に専門家たちをタンカーへ近づけさせるよう、あらゆる手を尽くしていると言って反論した。
ウッドワード氏の警告にフランスのニコラス・ドゥ・リヴィエール国連特使も同調し、フーシ派が「ただちに」国連の評価チームを立ち入らせないならば、セイファー号が呈している環境上・経済上・人道上の切迫した脅威に対し、フーシ派こそがその責任を負うと述べた。
米国の国連大使は、「今すぐに」フーシ派はタンカーの評価を実施させなければならないと発言した。
「さらにフーシ派は、国連による評価と船体の初期修理を遅らせて、セイファー号についての義務怠慢を続けている。この事態を今すぐ収束する必要がある」とリンダ・トーマス-グリーンフィールド氏は言う。
「2年近くの間フーシ派は対処を先延ばしにし続けている。我々はただちに評価をさせるよう要求する。他の諸国もフーシ派に対し、今すぐ評価を実行させるよう訴えてもらいたい」
一方、イエメンへの国連特使、マーティン・グリフィス氏は、先週中サウジアラビア領土に対してアンサール・アッラー(フーシ派)による複数のドローン及び弾道弾ミサイルの攻撃があり、民間施設も標的となったという報告を受けたと語る。
「こうした行為は許されない」と彼は言う。
4月15日(木)、アラブ連合軍はサウジアラビアを標的としてフーシ派が発射した弾道弾ミサイル5機と爆発物を搭載したドローン4機を撃墜したと発表した。
英国、フランス、米国そして国連は、フーシ派に対し、石油の豊富なサウジ政府行政区の首都マリブにおける敵対行動をやめるよう要求した。
フーシ派武装軍は2月以来マリブの占拠を試みている。「マリブは常にこの対立抗争における中核的な位置づけとなっている。この地域における戦闘は再びエスカレートする危険性を帯びている。地域内で住む家を追われた人々は、地元のコミュニティと共々その渦中に置かれている」とグリフィス氏は言う。
サウジアラビアは広範にわたるイニシアチブを3月に開始して、イエメンに平和をもたらし、イエメン市民に支援物資を届け、6年間に及ぶ同国の戦争を終結させようとしている。
そのプランは国連による全国的な停戦、サナア空港の再開、対立抗争に政治的解決をもたらすための協議を求めている。