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米海軍がアラビア海で「イランからイエメンに向けて輸送されていた」武器を押収

武器はアラビア海のダウ船から押収された。(米海軍)
武器はアラビア海のダウ船から押収された。(米海軍)
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10 May 2021 04:05:40 GMT9
10 May 2021 04:05:40 GMT9
  • 押収品には、船内に隠されていた数千丁の対人殺傷用銃器、機関銃、狙撃銃などが含まれている
  • 米海軍の初期調査で船はイランから来たものと判明した

ドバイ:米海軍は日曜日、アラビア海で船に隠されていた数千丁の対人殺傷用銃器、機関銃、狙撃銃などの武器を含む積み荷を押収したと発表した。これら武器は、イエメンのフーシ派反政府組織を支援するためにイエメンに向けて送られたものと見られている。
米国の国防関係者がAP通信に語ったところによると、米海軍の初期調査で船はイランから来たものと判明し、国連の武器禁輸措置にもかかわらず、イスラム共和国(イラン)がフーシ派に対する武器の供給に関与していることが再び明らかになった。イランの国連代表部は現時点でコメントの求めに応じていない。しかし、イラン政府は過去に同反政府組織に武器を供給したことを否定している。

長年にわたるイエメン戦争の中で武器の押収は何度か行われており、今回の武器の押収は、米国を始めとする各国が世界最悪の人道的災害の1つを生んだ紛争を終結させようと取り組む中で行われた。「かなりの規模」とされる武器の積み荷は、戦争がまだ続く可能性があることを示している。

ミサイル巡洋艦モンテレーは、木曜日にオマーンとパキスタン沖のアラビア海北部で始まった作戦中に、ダウ船の船内で武器を発見した。ダウ船は中東の伝統的な帆船で、米海軍はこの船を「無国籍のダウ船」と表現している。水兵らがこの船に乗り込み、甲板の下でほとんどが緑色のビニールに包まれた武器を発見した。

モンテレーの甲板に並べてみると、押収品の規模の大きさがよくわかる。水兵らはカラシニコフの一種である中国製の56式自動小銃を3000丁近く発見した。他にも重機関銃や狙撃銃が数百丁に加え、ロシア製の高性能対戦車誘導弾が数十発見つかった。積み荷にはまた、数百のRPGや武器用の光学照準器も含まれていた。

 

中東を拠点とする米海軍第5艦隊は、これらの武器がどこから来たのか、またどこへ輸送されていたのかを明らかにしていない。しかし、米国の国防関係者によると、これらの武器はフーシ派に向けた輸送が阻止された他の積み荷と似ているという。

水兵らは、乗組員への聞き込みと船内で調査した資料を基に、この船がイランから来たものだと判断したという。同国防関係者が現在進行中の調査について匿名を条件に語った。

第5艦隊は声明の中で、「すべての違法な積み荷が取り除かれた後、ダウ船は耐航性を評価された。乗組員は、質問を受けた後、食料と水を与えられて解放された」と述べた。

今回の押収は、アラビア海やアデン湾で行われたイエメン向けの武器の押収としては最新のものだ。武器の押収は2016年に始まり、戦争中も断続的に続いている。この戦争でフーシ派は弾道ミサイルを発射したり無人機を使用したりしており、これらは後にイランとの関係が明らかになっている。イエメンには、長年の紛争で管理の行き届いていない港を通して密輸された小火器があふれている。

今回の押収品はその中でも最大級のものと見られている。違法な武器取引を研究している調査研究者のティム・ミケッティ氏も、今回の積み荷は他の積み荷と類似していると指摘している。

ミケッティ氏は、「モンテレーが回収した武器の独特の組み合わせは、イランに関連した過去の押収品と一致しているように見える」と述べた。

武器はアラビア海でダウ船から押収された。(米海軍)

イエメンの戦争は、2014年9月にフーシ派がサヌアを占拠し、イエメン全土を掌握しようと南下を始めたことから始まった。サウジアラビアは2015年3月、アラブ首長国連邦などと共に参戦し、国際的に承認されたイエメン政府と共闘している。イランは、ミサイル発射や無人機攻撃でサウジアラビアを苦しめるフーシ派を支援している。

2015年以降、国連安全保障理事会はフーシ派に対して武器禁輸措置をとっている。それにもかかわらず、国連の専門家は、「イラン・イスラム共和国の個人または団体が、かなりの量の武器や部品をフーシ派に供給していることを示唆する証拠が増えている」と警告している。

AP通信

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