
ガザ:流血の惨事を終結させる声が高まる中、イスラエルとガザの激しい空爆とロケット弾の応酬は5月18日、どちら側の生命もさらに奪うことになった。
国連安全保障理事会は声明を発表せずに散会したが、この時フランスは、イスラエルの隣国、エジプトとヨルダンと連携して、停戦を求める決議案を提案したと発表した。
中国政府の張軍国連大使が、自らのチームはフランスの停戦提案を耳にしており、中国は「支持」すると報道陣に語った。
深夜12時以降、ガザ市への散発的な爆撃が続き、イスラエルの戦闘機が低空飛行する中で、住民たちは眠れずにいた、と包囲された沿岸地区のAFP通信特派員が報じた。
ランダ・アブ・スルタンさん(45歳)が、自分の家族は睡眠がどういうものだったかをもはや思い出せないと語った。
「私たちはみんな、爆発、ミサイル、戦闘機の音に怯えています」と、この7人の子どもを持つ母親は語った。
「私たちは1つの部屋の中に、みんなで一緒に座っています。私の4歳の息子は、自分がうっかり眠りに落ちたら、目を覚ました時に私たちが死んでいることに気付くのではないかと思うと怖い、と私に言うのです」
夕方の早い時間帯に、イスラエルの防空システムがガザから発射されたロケット弾を迎撃した時、AFP通信のカメラマンは上空に光の筋を確認をした。
その一方で、包囲されたガザの同胞への仲間意識から、パレスチナ人たちは集会を開き、イスラエル国防軍とデモ参加者たちが、イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸地区内の複数のフラッシュポイントと、東エルサレムで衝突し、多数が病院送りとなった。
数十人が実弾使用による怪我の治療を受けた、と医師たちが語った。
ガザ保健省によると、ハマスが実効支配する飛び領土で、ほんの1週間のうちに、イスラエルの空爆により子どもたち63人を含む217人のパレスチナ人が死亡し、1,400人以上が負傷したという。
エシュコル地域南部を狙って、ハマスが発射したロケット弾により、工場労働をしているタイ人2人が死亡したことで、イスラエル側の死亡者数は増加して12人となった、と警察は発表した。
5月10日以降、ハマスはイスラエルにほぼ3,700発のロケット弾を発射し、ガザ付近に暮らしている住民が一日中防空施設に避難せざるを得ないことも多々あった。
これに対して、イスラエルのほぼ絶え間ない空爆作戦が、上空に火の手、瓦礫、黒煙を立ち上らせる中、ガザに住む200万人のパレスチナ人たちは、一時的救済を切望している。
この貧困に喘ぐ地区で、人道的危機が深刻化しており、72,000人のパレスチナ人が住む家を失った、と国連は発表していた。
しかし、イスラエルのケレム・シャロムから国境を通じて、ガザに入ろうとしていた国際支援を積んだ貨物の車両らの通行が中断された。イスラエルがこの地域で迫撃砲の攻撃があったことを挙げて、素早くケレム・シャロムを再び閉鎖したからだ。
イスラエルの主要同盟国、アメリカ合衆国がその前日に、武力衝突を中止することを求める共同声明の採択を再び阻止した後、この紛争が激化して以降、4度目となる18日の国連安全保障理事会の会合が招集された。
ある安保理外交筋によると、「現時点では、公式発表をすることが緊張の段階的緩和に役立つと私たちは判断していません」と、リンダ・トーマス・グリーンフィールド国連大使が18日の非公式会合で述べたという。
フランスとエジプトが停戦協定を促し続けており、EUのジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表が18日、停戦協定の多方面からの呼び掛けを支持した。
また、同代表はイスラエル軍に、「相応」のやり方で対応するようにも促した。
イスラエルは、市民が住む地域に一部つながるとするハマスの地下トンネルを、戦闘機が攻撃したと発表している。
17日の空爆はガザで唯一のCovid-19検査所を機能停止に追い込んだ、と保健省は発表し、カタール赤新月社が、1発の空爆が同社事務所の1つに損傷を与えたと発表した。
ほぼ15年間イスラエルの封鎖下にあるこの飛び領土の病院は、多すぎる患者対応に圧倒されており、度々停電が発生する。
ネタニヤフ首相がイスラエル南部の空軍基地で演説し、ハマスとガザで2番目に大規模な武装集団、イスラム聖戦は、「予期せぬ打撃を受けている」と述べた。
「私たちはイスラエル国民の平穏を…取り戻すために、必要な限り継続する」と、同首相は付け加えた。
デモの抗議集会や不要不急の事業を閉鎖するゼネストのために、ヨルダン川西岸の至る所で、またイスラエルに併合された東エルサレムのパレスチナ人たちは18日、ガザで爆撃に晒されている人々への支持を表明した。
パレスチナのマフムード・アッバース大統領のファタハ運動が、「怒りの日」を呼び掛けており、この呼び掛けは、イスラエル国内のアラブ人が住む町と民族的に混在した町でさらに緊張を高めた。
「私たちは声を上げて、爆撃を受けているガザの人々を支持するためにここにいます」と、ラマッラのデモ参加者、アヤ・ダバールさんがAFP通信に語った。
イスラエル軍が、部隊はラマッラ北部で銃火を浴びたと発表した。2人の兵士が足を負傷し、病院に運び込まれた、と同軍は述べている。
パレスチナ保健省は、ヨルダン川西岸地区で、4人のパレスチナ人が射殺されたことにより、5月10日以降ここで合計24人のパレスチナ人が殺害されたと発表した。
イスラエル軍は、ヘブロンである者が兵士たちへの攻撃を試みたと発表した。
パレスチナ赤新月社が、エルサレムと占領されているヨルダン川西岸地区で、実弾によって負傷した35人と、催涙ガスを吸い込んで苦しんでいる80人以上を含めて、150人以上を同社の救急チームが治療したと発表した。
東エルサレムのフラッシュポイント、シェイク・ジャラー地区で再び緊張が広がっている。同地区では、パレスチナ人のデモ参加者が警察と衝突した。警察はデモ参加者たちを追い散らすために、閃光発音筒と「スカンク放水」銃を用いていた。
イスラエルとガザの紛争は、東エルサレムのフラッシュポイントであり、イスラム教の聖地の1つであるアル・アクサ―モスクの複合施設で衝突が起きたことがきっかけとなった。
この後に、シェイク・ジャラー地区に暮らすパレスチナ人の計画的な強制退去への抗議行動に対するイスラエルの取り締まりが続いた。
AFP通信