
ハゼム・バルーシャ
ガザ市: すでに疲弊状態にあるガザ地区の医療部門は、現在のイスラエルによるパレスチナ攻撃で崩壊しつつある。
イスラエルの攻撃により、次々と押し寄せる負傷者で病院は逼迫し、封鎖された沿岸地区では重要な医薬品が急速に底を突きつつある。
それに加え、2人の主力医師が殺害された。アルシーファ病院のコロナ感染症チームを率いていたアイマン・アブ・アル・ウーフ内科医長と、保健省の神経学者であったモイン・アール・アルール氏だ。
イスラエルの空爆で、ガザ地区の6つの病院と9つの主要医療センターが損傷を受けた。自治区内の新型コロナウイルス主要研究所と保健省施設も攻撃を受け、数日間の検査停止を余儀なくされた。
ガザ市のリーマル殉教者医療センターが月曜日に、イスラエルからの爆撃の標的にされ、中央研究室はすべてのサービスを停止せざるを得なくなったと保健省医療支援局長アイマン・アル・ハラビ医師は述べた。
アシュラフ・アル・キドラ保健省報道官は、「紛争で、保健省の限られた能力が消耗しつつあります」と述べ、イスラエルの攻撃がこのまま続けば、医療システムは「危険領域に達するでしょう」と付け加えた。
「医療人員、医薬品、医療物資、そして救急車が危機的に不足しており」、保健省は継続的に国内外の組織と連絡を取り合い、病院の緊急ニーズに応えるべく努力しているとアル・キドラ氏はアラブニュースに語った。
「イスラエルの残虐非道な攻撃が継続しており、保健省は、医療サービスを続けるために不可欠な医薬品、医療消耗品、処置用機器、集中治療室、診断用放射線機器、手術器具、研究室といった緊急ニーズを満たすべく、4660万ドルの緊急要請を打ち出しました」と同報道官は述べた。
アルシーファ医療総合施設の集中治療医兼麻酔専門医のエズ・エル・ディン・シャーヒン医師は、ガザ地区の医療システムは長年、紛争や災害などの様々な危機と立ち向かうことを余儀なくされてきたと語った。
「医療分野で勤務する医師、看護師、救急医療隊員、技師らは、いくつかのグループに分かれて24時間体制で働き、一定時間休息をとった後、また24時間シフトで働くということを続けています」と彼は述べた。
「外科部門によくあることですが、部門によっては、医療スタッフが欠乏しているために、より過酷な状況で何時間もの超過労働を強いられています」
保健省はまた、6万人以上のパレスチナ人が自宅を追われ、十分な医療サービスを受けられないまま、現在58の避難所に分かれて暮らしている状況についても憂慮している。これが新型コロナウイルスの第3波や、他の感染症や皮膚病を発生させ、療従事者の対応が困難になるのではないかとの懸念を引き起こしている。
現在の紛争以前にもガザ地区は、直近では2008年、2012年、2014年に紛争を経験している。それらの他にも、敵対関係のエスカレートによる数日間の対立は何度も勃発しており、パレスチナ人に多くの負傷者を出してきた。