ドバイ:COVID-19(新型コロナウイルス感染症)ワクチンの新たな供給により、オマーンでのワクチン接種が加速している。オマーン政府の保健当局者によると、感染者数の急増により病院に負担がかかる中、オマーンではワクチンの調達に困難をきたし、湾岸諸国の中で最もワクチンの接種活動が遅れている。
オマーン保健省プライマリヘルスケア総局のザヒル・ガッサン・アル・アブリ氏はロイター通信に対し、「状況は変わりつつあり、現在、我々は定期的にワクチンを受け取っている。 接種活動は再開した」と述べている。
5月にワクチン接種を開始して以来、オマーンでは接種対象者の約15%に少なくとも1回の接種を行ったとアブリ氏は述べた。火曜日に発表された保健省のデータによると、人口約450万人の同国で72万199回の接種が行われ、このうち18万4621人が2回の接種を受けた。
ロイター通信の分析では、1人が2回の接種を必要とすると仮定して総人口あたりのワクチン接種数を算出した結果、オマーンは近隣諸国に比べて接種が大幅に遅れていることがわかった。
アラブ首長国連邦は1400万回以上の接種を行い、人口約980万人のうち約72.6%に相当する人が接種を受けた。一方オマーンでは、人口のうち約6.1%に相当する人がワクチン接種を受けた。
同じくワクチンの調達がやや遅れたクウェートでは、人口の約21.6%に相当する人がワクチン接種を受けた。
アブリ氏によると、接種活動の遅れは供給上の問題によるものだという。
「他の国と同様に、これらのワクチンは様々な理由により、合意されたスケジュール通りに提供されていない」
オマーンでは、ファイザー社・バイオンテック社とアストラゼネカ社のワクチンによる接種が行われている。中国の国営企業シノファーム社のワクチンは、UAEが第3相臨床試験を国内で実施した後、初期段階の急速な接種活動で導入したが、オマーンは承認していない。
シノファーム社を含む他のワクチンを導入する予定があるかどうかを尋ねられたアブリ氏は、政府の基準を満たしていれば検討すると答えた。
「保健省が当初から採用している戦略は、研究によって認められた有効性と安全性の報告、および様々な国際機関によって発表されたガイドラインに基づいてワクチンを選択することだ」
オマーンの感染者数は1月以降、増加傾向にあり、5月上旬の減少から顕著な急増を見せている。
オマーンではこれまでに24万2723人が感染し、2626人が死亡した。木曜日の新たな感染者は2015人だった。
オマーンのメディアは今週、全国の病院が患者数の増加に疲弊していると報じた。首都マスカットにある主要な仮設病院の病床使用率は90%を超えていると国営メディアは伝えている。
年内に12歳以上のすべての人にワクチンを接種することを目指しているオマーンは、日曜日に45歳以上の人に対するワクチン接種を開始する。
ロイター通信