
ワシントン:米連邦検察当局は、イランに批判的なニューヨークのジャーナリストの誘拐を企てたとして、イラン政府の諜報員とされるイラン人4人を起訴した。13日に公開された司法省の起訴状で明らかになった。
この計画の標的の名前は起訴状に記載されていなかったが、ロイター通信は、イラン系米国人ジャーナリストのマシー・アリネジャド氏であることを確認した。同氏は「ボイス・オブ・アメリカ」のペルシャ語サービスに寄稿し、イランの人権問題について報告している。
ロイター通信は司法省に、アリネジャド氏がこの計画の標的であることを確認するよう求めたが、司法省はコメントを拒否した。
起訴状によると、イラン人4人は偽りの口実を設けて私立探偵を雇い、ブルックリン在住の、名前が明かされていないジャーナリストを監視した。彼らは、その人を国外に連れ出す計画の一部として、被害者の家族や自宅の動画を撮影した。
4人の被告人は「狙った被害者を強制的にイランに連行し、そこで被害者の運命を少なくとも不確かなものにする」ことを計画していた、とニューヨーク州南部地区のオードリー・ストラウス連邦検事は述べた。
起訴状が発表された後、アリネジャド氏は13日に電話取材を受け、ショック状態だと話した。
「米連邦捜査局が8カ月前に、陰謀者によって撮られた写真を持参して私に話を持ちかけてから、私は米連邦捜査局と協力してきました」とアリネジャド氏は話した。
「彼らは、イランがすぐ近くまで来ていることを示していました」と同氏は話した。
髪を覆うスカーフの着用を義務付けている法律に反対するイランの女性がいることや、2019年のデモで殺されたイラン人の記事を広めたことで、イランから怒りを買った、とアリネジャド氏は話した。
米連邦検察当局はプレスリリースで、このジャーナリストがイランから標的にされたのは「イラン政府の法律と慣行に変化をもたらすために、イランと世界で世論を動かしたから」だと発表した。
FBI捜査官はこの事件を捜査するにあたり、彼女と夫を隠れ家に移動させた、とアリネジャド氏は話した。
同氏は、起訴状を読んでまだ動揺していると話した。
「米国にいても安全じゃないなんて、信じられません」と同氏は述べた。
ロイター通信