
メネクシェ・トーケイ
トルコは、国を揺るがせている前例のない規模の山火事への対策に追われる中、EUに支援を要請した。同国政府の自然災害に対する準備の不足が露呈した形だ。
トルコ政府は、EU市民保護メカニズムを活用し、欧州委員会に消火活動への支援を要請した。
欧州連合(EU)は、「RescEU」(欧州の市民保護資産の準備金)の一部として、クロアチアから1機、スペインから2機のカナディア機など数機の消防用航空機を派遣している。
欧州委員会のヤネス・レナルチッチ危機管理担当委員は、「この非常に困難な時、EUはトルコと全面的に連帯します」と述べた。
レナルチッチ危機管理担当委員はまた、次のように語っている。「支援を提供してくれたすべての国々に感謝します。私たちの思いは、愛する人を失ったトルコの人々と、恐ろしい火災に全力で立ち向かっている勇敢な消防・救急関係の方々と共にあります。さらなる支援の実施に向けて、私たちは待機しています。」
ポルトガル、スペイン、フランス、イタリア、ギリシャ、クロアチアは、ヨーロッパで最も火災が発生しやすい国々と言われている。クロアチア、フランス、ギリシャ、イタリア、スペイン、そしてスウェーデンは、緊急時に他のEU加盟国が使用できるよう、消防用の飛行機11機とヘリコプター6機を提供している。
今回の山火事で、13機を擁する大統領用航空隊を誇るトルコが、消防飛行機を1機も保有していないことが明らかになった。EUの24時間年中無休の緊急支援調整センターは、状況の推移を把握し、EUの支援が効果的に実施されるようにするため、トルコ当局と定期的に連絡を取り合っている。
トルコ経済開発財団のチーデム・ナス事務局長は、アラブニュースの取材に対し、現在の状況はこの困難な時代において諸国との連帯を示す貴重な機会にもなっていると語った。
「地中海地域の国として、トルコはギリシャやイタリアなどのEU加盟国と同様の気候変動の影響を共有しています。したがって、今回のような自然災害に共同で対処する能力を高めることが重要です」とナス事務局長は指摘している。
EUとトルコは、特に地中海地域の自然災害への対応において、協力関係を強化・充実させていくことができる、と事務局長は付け加えた。
「こうした協力関係の強化により、トルコとEUが出資して、地域の国々が共同で使用できる航空機、人力、その他の必要な機器を含むリソースを拡充していくこともできるでしょう」とナス事務局長は語っている。
EUから支援が提供されているにもかかわらず、トルコは一部のEU加盟国に対して懐疑的な態度をとり続けている。
一方、混乱の中で、突然の火災の原因についての陰謀論も生まれている。
政府派の関係者たちは、ギリシャ政府からの命令で火事を起こしたとして、非合法のクルド労働者党(PKK)を非難している。
7月29日、ギリシャのニコス・デンディアス外相は、トルコのメブリュト・チャブシオール外相への電話で、山火事で失われた人命に哀悼の意を表した。
「要請があればギリシャは支援を行う用意があることも伝えました」とデンディアス外相はツイートしている。
しかし、トルコはギリシャからの消火活動支援の申し出を拒否した。
トルコとギリシャでは今週、現在進行中の強烈な熱波による高温がピークとなり、ヨーロッパの記録的なレベルに達すると予想されている。
これとは別に、トルコから国外に逃亡中のマフィアのボス、セダト・ペケル氏は、火災後の挑発行為は、どんなものだろうとクルド人市民を攻撃する超国家主義者の煽りに利用される可能性があると警告している。
最近では、中央アナトリア地方コンヤ県に住むクルド人家族の7人が、数ヶ月にわたる脅迫の後、5月に同じ脅迫犯によるナイフ攻撃を受けて殺害されている。
他の問題としては、文化観光省に森林を建設用に開放する権限を与えた新法が強い批判を浴びている。
大統領の署名を得て施行されたこの法律は、最近焼失してしまった森林地域を新たな開発に開放する可能性があるという懸念から異議を唱えられている。