
ハルツーム:8月8日(日)、スーダンの外務相は、同国は隣国エチオピアに駐在させていた大使を召還したと発表し、エチオピアが戦争で荒廃したティグレ州における停戦調停への努力をはねつけたと報道した。
アフリカの地域機構である政府間開発機構(IGAD)の事務局長を務めるスーダンのアブダッラー・ハムドゥーク首相は、「エチオピア全土が停戦に合意し、包括的な政治的協議に臨むことを希望している」と声明を出した。
しかし、先週エチオピアは、スーダンの一部の指導者たちに対する信頼が「損なわれた」と述べており、スーダン軍がエチオピアの領土内へ「来襲」してきたことを非難した。
エチオピア北部は昨年11月以降戦闘によって荒廃している。当時地域の政権を握っていたティグレ人民解放戦線(TPLF)を打倒するため、エチオピアのアビィ・アハメド・アリ首相が軍隊を派兵したためだ。
何万人というエチオピア市民が、その衝突から逃れるためにスーダンの難民キャンプへ避難した。国連によると、それによって40万人が飢饉同様の状態に陥ったという。
さらにスーダンとエチオピアの関係は、国境の係争地ファシャガをめぐっても険悪化している。この地域は長年エチオピアが耕作してきた細長い肥沃な土地だが、スーダンがその領土権を主張しているのだ。
エチオピアのアビィ・アハメド・アリ首相の報道官ビリーン・セユム氏は、「スーダンを信頼の置ける交渉相手として遇するには、その前にこの問題が徹底的に対処される必要がある」と述べた。
8月8日(日)、スーダンの外務相は、「大使の召還は、ティグレにおける血なまぐさい衝突を終結させようとするスーダンの働きかけを拒否するエチオピアの高官らが出した声明を受けたものであり、彼らの声明は中立性に欠け、(スーダンが)エチオピア領土を占拠したと述べ立てている」と声明を出した。
スーダンはエチオピア高官らの声明を「根拠のない申し立て」とし、「スーダンは諮問のために駐エチオピア大使を召還した」と加えた。
この二国は大エチオピア・ルネッサンス・ダム(GERD)についても係争を続けている。これは2011年にエチオピアがこのダムの建設プロジェクトに着手して以来、地域抗争の的となっている。
ダムの下流に位置するエジプトとスーダンは、青ナイル川のこの巨大ダムによって、自国の生命線となっている水の供給が脅かされることを恐れている。
AFP