
ベンガジ:22日、リビアの町「ゼラ」の検問所で自爆テロがあったが、犯人以外の死傷者は出なかった。東部に拠点があり、一帯を管理するリビア国民軍(LNA)の報道官が発表した。
ムアマル・カダフィに対する2011年の民衆蜂起以降、リビアは暴力と混迷の10年間を過ごしてきた。だが近年は武装集団による散発的な攻撃があるだけで、場所も辺境の砂漠地帯がほとんどだった。
ゼラはスルトの南方にある小さなオアシスの町で、近くには同名の油田もある。
LNAのアーメド・ミスマリ報道官によると、攻撃にはダーイシュの特徴が見られたという。
別の動きとして、リビア西部では1週間断水が続いていたが、水道が復旧しつつある。現在投獄されているカダフィ時代の高官の支持派が破壊工作をちらつかせ、断水が起きていた。
「井戸やポンプの切り替えが進み、供給が徐々に戻っています。危機は去りました」と当局は21日にフェイスブックで発表した。
夏の熱波が北アフリカを襲う中、リビア国民は水のない生活を余儀なくされていたが、この発表は安堵感をもたらした。
水道当局は「大人工河川」と呼ばれる広大な水道網を管理している。40年間に及ぶカダフィ時代の重要な事業のひとつだった。
この事業はサハラ砂漠の地下の帯水層から水を汲み上げ、地中海沿岸の集落に水を届けるというものだ。
先日、カダフィの義弟であるアブドゥラ・アル・セヌシを支持するグループが、彼を解放しない限り水道を破壊すると宣言した。それを受け、当局は先週末、損傷を避けるために水道網を閉鎖した。
カダフィ政権で情報局長を務めていたセヌシ氏には、カダフィ政権の崩壊につながった2011年の民衆蜂起を弾圧しようとしたとして2015年に死刑が宣告されている。
元情報局長は現在もトリポリの刑務所に収監されている。
ロイター