
ベイルート:国連は24日、以前シリアのダルアーを拠点としていた反政府勢力と政府軍との戦闘により、ひと月の間に3万8000人以上の難民が生み出されたと発表した。和平協議は難航している。
政府軍がダルアーの県都の南部アル・バラードの支配を強める中、政府側が2018年に奪還した同県はここ数週間で新たな発火点となっている。この地は以前、反政府勢力の拠点だった。7月末から続く衝突では砲撃戦もあり、ロシアが仲介する協議において最大の障壁となっている。協議によってシリア南部のダルアー県は政府の支配下に入ったが、一部にはまだ反政府勢力が残っている。
最近の戦闘を受けてロシアが和平の仲介に乗り出したが、協議は難航している。政府側が、ダルアー・アル・バラードから反政府勢力を一掃しようと攻勢を強めているためだ。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、ダルアー周辺で3万8600人の国内難民が発生している。その大部分はダルアー・アル・バラードからの避難民だ。
「内訳は女性が約1万5000人、男性が3200人以上、子供は2万400人以上」とOCHAは説明している。
OCHAは危険地帯での緊張状態について警告しており、食料や電気などの物品・サービスが「極めて利用しにくくなっている」と述べている。
英国を拠点とするシリア人権監視団は、ダルアー・アル・バラードには今も4万人が住んでおり、同地区への物品の輸送が政府軍によって制限されていると述べている。
「住民たちは包囲された街の中で生活しており、食料や医療品、飲料水、電気、インターネットが不足した状態で暮らしている」と、シリア国内の情報源に依存している監視団は言う。
ダルアー・アル・バラードの多くの住人が、政府および同盟国のロシアが進めている交渉に反対していると監視団は述べている。
AFP