
アブダビ:アブダビのフランス海軍基地がヨーロッパ主導のアラビア湾の海上監視活動の拠点となることが、日曜日フランスの国防大臣から発表された。同地域ではイランとの緊張が高まっている。
5月以降石油タンカーへの攻撃が続き、アラビア湾での緊張が高まっている。アメリカやその同盟国は、攻撃の黒幕はイラン政府だとしている。イランはその疑惑を否定している。
しかしイランは、6月にイラン領海の海上を飛行したとしてアメリカの無人機を撃墜したことを認めている。アメリカ政府は、同無人機は国際空域を飛行していたと主張している。
「私たちは、ヨーロッパの海上監視イニシアチブの司令部をアラブ首長国連邦に置くことで正式に同意しました」とフランスのフロランス・パルリ外務大臣はAFPに語った。
同監視活動は、アブダビのフランス海軍基地に派遣される10-15人の要員によって行われることになる。要員は「アラビア湾での航行を可能な限り安全なものにすることに貢献する」ことになると、同基地を訪問中の同大臣は述べた。
パルリ大臣はどの国々が同監視活動に参加するかは明らかにしなかった。同イニシアチブへの参加が議会の承認待ちである国々もあるとのことだ。
今月これまでに、問題続きのアラビア湾や戦略上重要なホルムズ海峡を航行する船舶を保護するため、アメリカ政府はバーレーンを拠点とした共同海上監視活動を立ち上げている。
ほとんどのヨーロッパの政府はアメリカ主導の共同監視活動に参加することを拒んだ。2015年の歴史的な核同意を継続させる努力が水の泡になるのを恐れてのことだ。同合意は、昨年アメリカ政府が脱退したことから、大幅にぐらついている。
しかしパルリ大臣は日曜日、フランスは「アメリカと協力します」と述べた。
同大臣は前日には、中東から「アメリカが段階的に手を引くこと」を目指していると述べている。
マナーマで毎年開催される地域の安全保障会議の場で土曜日、同大臣はイランが黒幕と見られている挑発行為にアメリカが対応できていないと、アメリカ政府を批判した。
また同大臣は日曜日には、フランスはサウジアラビアにレーダーを提供し、サウジアラビアの防衛システムの強化を支援すると述べた。
パルリ大臣は土曜日遅い時間にアラブ首長国連邦に到着し、アブダビのムハンマド・ビン・ザーイド・アル=ナヒヤーン皇太子と会談したと、アラブ首長国連邦の国営メディアWAMが報じた。
両国は深い関係を築いており、多くの防衛上の合意を結んでいる。
2009年には、フランスはアフリカ以外では初となる海外基地をアラブ首長国連邦に設置し、常時700人ほどの要員を駐留させている。
AFP