• 候補者たちは雇用の創出と、モロッコの経済、教育、医療の強化を約束した
• 投票終了まで3時間の時点で投票率は36%となっている

ラバト、モロッコ：モロッコの人々は水曜に新たな国会議員と地方の指導者を決めるため、パンデミックにより形を変えた選挙で投票したが、世論調査が禁じられているため結果は予想し難い。

候補者たちは雇用の創出と、モロッコの経済、教育、医療の強化を約束した。モロッコはパンデミックにより大きな打撃を受けているものの、現在までのワクチン接種率はアフリカで最も高い。

政権を握るイスラム主義政党は近年人気が低下してはいるものの、今回また最多の議席を獲得すれば、3期目の政権掌握が見えてくる。しかし最近の選挙制度改革によりその権力は制限される可能性があり、議員の役割は戦略的な政策決定を監督する国王ムハンマド6世の力によって制限される。

「投票した候補者にがっかりさせられることがないように願っている」と首都のラバトで投票するアデル・カノウッシ氏は述べた。「実施すべきプロジェクトが非常に多く、人々の期待は高い」

投票終了まで3時間の時点で投票率は36%となっている。

選挙に関する世論調査は禁止されているため、水曜に行われた投票の結果を予想するのは難しい。接戦となることが見込まれており、どの党が勝ったとしても、政権を樹立するためには連立を組むことが必要になるだろう。

首都に近いテマラで投票所となっている学校では、数十人の人々が出勤前に投票に立ち寄った。外には2人の警備員が配置され、投票所係員が入場前に投票者の体温を測った。

中に入ると、投票者はブースに入る前に身分証明書を提示し、携帯電話を手渡すことを求められた。手指消毒剤の使用、マスクの着用、1メートルの距離をとることが義務付けられていた。

ファティマと名乗った36歳の女性は、先進社会に属する国と見なされる「新たなモロッコ」を議会が実現してくれることを望んでいると語った。

モロッコは地域で最も経済的に発展しており、カサブランカに繁栄したビジネス地区があるが、一方で特に農村地区で貧困と失業が広がっている。モロッコでは数千人の絶望した若者が、小さなボートに乗ってスペインのカナリア諸島やジブラルタル海峡の向こうのスペイン本土を目指す危険でしばしば死につながる旅に向かってきた。

厳しいパンデミック対策は、候補者らによる1800万人の有権者への働きかけを制限した。リーフレットの配布は許されず、選挙集会には最大25人までの制限が課された。その結果、代替手段として多くの候補者はソーシャルメディアへの取り組みを強化した。

モロッコ保健省によると、パンデミックが始まってから今までに新型コロナウイルス感染症に関連した死亡がモロッコ国内で13,000件報告されている。

下院の395議席をめぐって31の政党、連合が競った。有権者たちは地方議会の678議席の代表も選出することになっている。

2011年から政権を握っている穏健派イスラム主義の公正と発展党（PDJ）が3期目を目指している。サアデディン・エル・オトマニ首相が所属するこの党は、モロッコ経済の競争力強化を掲げている。

エル・オトマニ首相は政治に幻滅している国では投票数の確保が「課題」であると認めたが、彼の投票所で「男女ともに多くの参加」が見られたことに励まされたと述べた。

その他の有力政党に、PAMと呼ばれる中道左派の真正と現代党、イスティクラル党、独立国民連合がある。

イスティクラル党幹事長のニザール・バラカ氏は新たな議会は「人々のために貧困をなくし、中産階級の落ち込みを止める取り組み」をしなければならない、と語った。

4,600人の地元監視員と外国からの監視員100人が今回の選挙を監視した。

AP