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アラブ連盟、イスラエルの入植活動に関する米国の決定を拒否

アラブ連盟事務総長アフムド・アブル・ゲイト氏(C)はエジプトの首都カイロの連盟本部で11月25日開催された緊急会議に出席、パレスチナ自治区におけるイスラエルの入植活動を今後違法とみなさないとの米国の決定に関する協議を行った。(AFP)
アラブ連盟事務総長アフムド・アブル・ゲイト氏(C)はエジプトの首都カイロの連盟本部で11月25日開催された緊急会議に出席、パレスチナ自治区におけるイスラエルの入植活動を今後違法とみなさないとの米国の決定に関する協議を行った。(AFP)
26 Nov 2019 01:11:02 GMT9
  • 外相らはこの動きは平和に対する脅威であり言語道断の国際法違反であると述べている。
  • アラブ連盟は米国の姿勢は「かつてないほど国際システムを軽んずるものである」と述べた。

アフナン・ナスル

カイロ:月曜日、アラブ連盟諸国の外相らはヨルダン川西岸パレスチナ占領地区でのイスラエル入植活動を今後は国際法違反とみなさないとのアメリカの声明を非難した。

トランプ政権の声明発表の1週間後カイロで開催された緊急会議の席上で、アラブ連盟事務総長アフムド・アブル・ゲイト氏はこの決定は「不当に偏った受け入れがたいもの」であるとし、米国はイスラエルとパレスチナの間に立つ中立的調停者の役割を放棄したと語った。

サウジアラビア外相ファイサル・ビン・ファルハン皇太子はサウジは米国の立場を受け入れないと改めて述べ、パレスチナ問題に関しては公正かつ包括的な解決策が必要であると強調した。皇太子はこの問題の解決は継続的平和実現の土台となるものだ、とも語った。

外相は、サルマン国王はパレスチナ問題に多大な関心を寄せており、サウジアラビアは今後ともパレスチナの大義を支持していくと述べた。

会議後に発表された声明で連盟諸国の外相らは「米国の決定に対する非難と拒否」を表明し、「この決定は法的効力を持つものではなく、明らかに国連の決議に反している」と述べた。

アブル・ゲイト氏はアラブ諸国は幅広い議論を行いトランプ政権に今回の決定の再考を促していくことが必要だと述べた。

同氏は米国の声明は、占領側勢力が占領下の土地に文民を移動させることを禁じたジュネーブ条約第4条約を露骨に無視するものだとし、これにより米政権の道義的正当性は損なわれ、米国が国際法を尊重し執行する国家であるという信頼も傷つくと述べた。

アブル・ゲイト氏は、イスラエルの入植活動の違法性については国際的にも圧倒的コンセンサスが成立しており、米国の声明は権力は自身の正当性を生み出すという原則に沿った個人的な見解に過ぎないと語った。同氏はこれは広く非難されている危険な考え方で、誰であれこんな原則を採用したり擁護したりする者の価値観は問題視すべきだと述べた。

11月18日マイク・ポンペオ長官は、今後米国はヨルダン川西岸地区のイスラエル入植地及びイスラエルに併合されている東エルサレムを違法な存在とはみなさないという声明を発表した。長官は、米政権は合法性に関する協議を行い、イスラエルの入植活動「それ自体は国際法に触れるものではない」との結論に達したと述べた。

ドナルド・トランプ大統領は2年近く前に米国のもう一つの長年の政策を転換し、帰属が争われている聖都エルサレムをイスラエルの首都と認めてパレスチナ側やアラブ諸国の怒りを買ったが、今回の決定はこれに続いて米国が数十年にわたり維持してきた方針を転換するものである

アラブ連盟はポンぺオ長官の声明発表を受け、米国の政策転換は「非常に敵意に満ちた動き」であると述べた。米国の決定を受けてサウジの閣僚らは先週国際委員会を招集し、パレスチナ人を保護し、イスラエルの国際法違反には対決姿勢を示していくことを確認した。

国連人権高等弁務官事務所は国際司法裁判所が2004年に示した勧告的意見に賛同し、イスラエルの入植活動は国際法に反するとしている。

パレスチナ側はイスラエルの入植活動はヨルダン川西岸地区とガザ地区に東イスラエルを首都とする国家を設立するというパレスチナ人の目標を脅かすものであると述べている。

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