Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • 「ハンサムな」新大臣らを皮肉って心の逃げ場を作るレバノン人たち

「ハンサムな」新大臣らを皮肉って心の逃げ場を作るレバノン人たち

アミン・サラーム氏
アミン・サラーム氏
Short Url:
13 Sep 2021 09:09:53 GMT9
13 Sep 2021 09:09:53 GMT9
  • 経済や生活水準、治安の危機が続く中、レバノン国民は自分たちが生きている悲惨な現実を和らげるため、皮肉を利用して心の逃げ場を見つけたようだ。

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノンの新しい経済大臣のアミン・サラーム氏とエネルギー大臣のワリド・ファヤド氏のイケメンぶりが、SNS上で多くの人、特にレバノン人女性の目を引いている。大臣らの経歴と写真は、公開されると爆発的に広まった。

レバノン人歌手のナワル・アル・ゾービ氏は、サラーム氏のハンサムさに感心し、同氏が「その役割を果たす」ことを期待した。

このような感心コメントは、大臣らの所属する政党や、大臣は政権与党から独立すべきとされることについてのあらゆる議論、改革を実行し、国際社会の信頼を得る能力についての所見などを度外視したものだ。

中には、サラーム氏かファヤド氏が、息苦しい経済危機に関して何かミスを犯しても、彼らなら許されると述べた人もいた。「彼なら、パン1束の値段に対して、好きなことをやっていい」と、ある女性がサラーム氏の写真にコメントした。

別の女性は次のようにコメントした:「電気が止まり、パン1束の値段が上がる度に、このハンサムな2人を侮辱なんてできるだろうか」。3人目は、ファヤド氏の青い目を褒めて、次のように述べた:「あなたの美しい目があれば、私たちは十分。電気は要らないわ。みんなに警告する、これからは、誰もこの大臣を侮辱してはならない」。

ワリド・ファヤド氏

中には、次のようなキャプションを入れて、ファヤド氏の写真を共有した人もいる:「一瞬、ファヤド大臣はジェームズ・ボンドかと思った」。

あるエジプト人女性は、次のように投稿した:「レバノンの大臣はハンサムなのに、なぜうちの大臣はお腹が出ているのだ?」
また、非常に皮肉なコメントをする人もいた。ある男性は、「彼らはいつでもミスター・レバノンに応募できる」と、4人のイケメン大臣の写真の下に書き込んだ。

経済や生活水準、治安の危機が続く中、レバノン国民は自分たちが生きている悲惨な現実を和らげるため、皮肉を利用して心の逃げ場を見つけたようだ。「もう移民を申請する必要はない、私たちにはイケメン大臣がいるのだから」と、ある男性はふざけながら述べた。

メディア学者のラーギブ・ジャベル博士は、次のように述べた:「SNSは、政権与党が気にもかけないような意見を持つ人々に、表現の場を提供した。これらのプラットフォームは、統治に根本的な変化をもたらさないものの、皮肉によって、人々はそこに隠されたメッセージを通して、自分の言いたいことを言えるのだ」。

情報省の大臣を任された著名なテレビ司会者のジョージ・クルダヒ氏も、皮肉コメントの対象になった。クルダヒ氏は、テレビ番組“クイズ$ミリオネア”のアラビア語版の司会者として知られており、政権与党の汚職を引き合いに出して、これからは“Who Will Steal A Million?”(100万ドルを盗むのは誰だ)と呼ばなくてはと書き込む人もいた。

「フォトショップで写真を改変するのは、遠からず、政治活動上の不正行為になるだろう」として、デジタル編集された大臣らの写真を批判した人もいる。

一方、エクトル・ハジャル社会問題大臣のインタビューは、新政権が取り組むことについての論争や嘲笑、憤りを巻き起こした。自由愛国運動に所属するハジャル氏は、「この危機は概して、レバノンに対する外国の経済的陰謀だ」と述べた。

同大臣は次のように説明した:「お店でオムツが見つからないなら、布切れで代用できる。私は中国から帰国したばかりだが、中国では人々はオムツもティッシュも使わず、全て洗濯できる布で代用していた。なぜ我々は中国のモデルに従わないのだ?」

ハジャル氏のインタビューは怒りのコメントの嵐を巻き起こし、歌手のエリッサ氏は次のようにツイートした:「これが我が新政府を象徴する実例だ」。

国会議員のウェフベ・カティチャ氏は次のようにツイートした:「『オムツ大臣』の発言を聞いて、彼は我々を地獄の果てにまで連れて行くつもりだと思った。この男は本気なのか?」

政府は、新しい大臣らが海外から帰国し次第、大臣声明を作成する見込みで、これに基づき、議会で信任投票を得たいところだ。

一方、ガソリンスタンド前の途切れぬ行列は続いている。ガソリンスタンド経営者協会のメンバーであるジョルジュ・ブラックス氏は、次のように警告した:「在庫はすぐになくなる。多くのガソリンスタンドは数日以内に閉鎖され、国は週半ばには麻痺するだろう」。

ナジブ・ミカティ首相は、政権樹立直後に「資金が枯渇したため、燃料への補助金は完全に解除される」と警告していた。

特に人気
オススメ

return to top