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カタールの国政選挙に女性が立候補「大きな前進」

カタール当局はかつて「男女平等と女性の地位向上」は湾岸諸国にとって「成功と将来展望」の鍵だと訴えた。(Shutterstock)
カタール当局はかつて「男女平等と女性の地位向上」は湾岸諸国にとって「成功と将来展望」の鍵だと訴えた。(Shutterstock)
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02 Oct 2021 08:10:56 GMT9
02 Oct 2021 08:10:56 GMT9
  • 女性が選出されないか非常に少数である場合には、男女比を改善するために首長が女性を直接指名する可能性もある

ドーハ: 2日、カタール初の国政選挙に女性も立候補したが、男性と比較すると女性の候補者数は非常に少ない。

30の議席に対し284人が立候補して選挙戦を争う。そのうち、女性の候補者は28人だ。残る15議席は首長により指名される。

「女性の立候補は非常に大きな、意義のあるステップです」と国際危機グループの湾岸諸国分野のシニアアナリスト、イルハン・ファクロ氏は評価する。

「とはいえ、その影響について過大な期待をすべきではないと考えています。女性の候補者はたった28人ですから。実際、それは特に驚くべきことではないのです」

候補者の1人、レーナ・アル・ダファ氏は当選した場合に優先的に取り組むこととして、女子教育の推進や女性教師の支援、カタール女性の子どもの市民権問題を挙げた。

現行の制度では、子どもはカタールの市民権を父親からのみ受け継ぐことができる。つまり、外国人と結婚したカタール女性の子どもはカタールの市民権を持つことができない。

このことは、助成金や土地の割り当てなど国からの補助に関する子どもの権利に影響する。

ダファ氏は選挙イベントに向かう前に「私にとって最も重要なことは、カタール女性の子どもの市民権問題です。これは私が取り組みたいと心から願っている最重要課題です」と述べた。

ダファ氏は教育関連の公務についており、立候補したカタール17区には、他に2人の女性と7人の男性が立候補している。ダファ氏は重要なのは性別より能力だと強調した。

「私は選挙を私と男性との戦いだとは考えていません。議会には男性も必要だからです」

「私たちが問題にしているのは、性別ではなく能力です」とダファ氏はカタールのエデュケーション・シティ・ゴルフクラブで女性有権者たちの少人数の集会で演説した。

ファクロ氏は、女性が選出されないか非常に少数である場合には、「男女比を改善するために」首長が女性を直接指名する可能性もあると示唆した。バーレーンの議会選挙でも同様のことが起きている。

女性の保健相や外務省報道官のいるカタールは、他の湾岸諸国よりも女性の政治参画が進んでいる国だ。

さらに、カタールW杯組織委員会をはじめ、社会貢献事業、芸術、医療、法、ビジネスなど多くの分野で女性が重要な役割を担っている。

カタール憲法には「すべての市民の機会均等」が規定されている。

最新の公式データによれば、カタールは男性が女性より2.6倍多い。主な理由として、カタールに来ている男性の出稼ぎ労働者の存在が挙げられる。

カタール当局はかつて「男女平等と女性の地位向上」は湾岸諸国にとって「成功と将来展望」の鍵だと訴えた。

アナリストのファクロ氏は、湾岸諸国の選挙に女性が立候補することは「これらの諸国で女性の政治参画への態勢が整い、政界への進出が望まれてきている」ことの重要なシグナルだと指摘する。

「湾岸諸国で女性の権利向上、家族法や離婚、そしてあらゆる分野での法の平等が確保される可能性はあります」と述べる。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは以前、男性よりも女性の大卒者の数が多く、1人当たりの医師と弁護士の数も女性が上回っていることなどを挙げて、カタールの女性が「さまざまな障壁を打ち破り、大きな進歩を遂げた」と認めた。

AFP

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