
レイド・オマリ
アンマン: ヨルダン王立裁判所は4日、アブドッラー2世国王が海外に所有する豪華な不動産に関した「不正確」で「誇張した」記事を却下した。
裁判所は、国王が海外に住居を所有している件は秘密でも何でもなく、それらは国王が公式訪問の際に利用するものだと述べた。
BBCを含むいくつかの報道機関で公表されたこの報道は、「間違いを含んでおり、事実を歪曲・誇張している」とした。
「国王陛下が米国や英国に多数のアパートや住居を所有している事実は秘密でも何でもない。これは異常なことでも不適切なことでもない」と声明は述べている。
不動産に関する詳細は、流出した海外財務の「パンドラ文書」と名付けられた書類の一部として公表された。
報道では、アブドッラー国王が米国と英国に1億ドル以上に相当する豪華な不動産を所有しているとされた。
流出した財務文書では、国王は1999年に即位して以来、秘密裏に所有する会社を使い、15の不動産を購入したと主張している。
王立裁判所は、不動産の詳細については、「特に安全保障上のリスクが高まっていることから」、プライバシーとセキュリティーを考慮して公表していないのだと述べた。
「陛下はこれらの不動産を、公式訪問の際や、政府関係者や外国の要人を迎え入れるために使用している。国王とそのご家族は、プライベートな訪問の際にこれらの物件の一部に宿泊することもある。これらの不動産は、セキュリティーやプライバシーの懸念から公表されていないのであり、報道にあるような秘密や隠蔽などではない」」と声明は述べている。
プライバシーを維持するための措置は、アブドッラー国王のような立場の国家元首にとっては非常に重要なことであると声明は付け加えている。
王立裁判所は、こうした報告書を公表することは、「陛下とそのご家族の安全を脅かす言語道断のセキュリティー侵害」であると述べた。
「これらの不動産の費用やすべての関連支出は、陛下が個人的に負担してきたものである。こうした支出の中で、国家予算や国庫から資金が出ているものは一切ない。これは、陛下とそのご家族の個人的な支出についても同様である」としている。
国王が豪華な資産を所有していることと、ヨルダンが外国の支援に依存していることを対比させるいくつかの報道に対し、王立裁判所は次のように述べている。「これらのプライベート資産と公的資金や援助を関連付ける主張は根拠のないものであり、事実を故意に歪曲しようとするものである」
「これらの主張は中傷であり、ヨルダンの評判のみならず、陛下の信頼や、陛下がこの地域や国際社会で果たしている重要な役割をも標的にすべく計画されたものである」
アブドッラー国王は、ヨルダン中央のバディア地域の部族指導者や著名人と行った4日の会談の中で、ヨルダンに対する「キャンペーン」が張られていると述べた。
「ヨルダンに対するキャンペーンがあるが、これは今に始まったことではない。我々はこうしたキャンペーンよりも強力だ」
国王は、「隠さなければいけないことは何もない」と述べ、「国家破壊工作を求める者たちがいる」と付け加えた。