
ガザ:ガザの保健当局と慈善団体は、保守的なパレスチナの飛び地ガザで、この病気を取り上げることへの社会的タブーの克服を願いながら、女性に乳がん検査を受けるよう促す活動を強化している。
民間慈善団体のフェアーズ・アル・アラブが保健省と共に立ち上げたキャンペーン「There’s no shame in it(恥じることはない)」の一環として、イスラム教徒の説教師は早期発見を呼びかけ、パン屋はパンの包みに同様のメッセージを封入している。
毎年行われる10月の国際的な乳がん啓発月間の開始に合わせ、移動式検診車も巡回し、この1週間で1日に約150人の女性に検査を行った。
「There’s no shame in itは、全ての女性に向けた希望と安全のメッセージであり、検査を受けるよう、女性たちに伝えています」と、このキャンペーンのリーダーのジョーゼット・ハーブ氏は語った。
「この問題を取り上げることを恥ずべきものとして扱う社会の層があり、乳房除去や乳房という言葉を卑猥なもの、あるいは恥ずべきもののように扱っています」と、ハーブ氏は語った。
乳がんは、ガザの女性のがん患者の32%を占めていると、保健省は発表した。
現地のがん患者は、貧困、領内の病院の薬不足、入国制限によりイスラエルやヨルダン川西岸、さらに遠くの場所へ治療を受けに行くのが難しいことなど、複数の問題に直面している。
キャンペーン中、ガザの主要通信会社のパルテルは、乳がん啓発を示す色のピンクの光で本社を照らし、さらに多くの機関がこれに続く予定となっている。
エジプトとイスラエルと国境が接している狭く細長い沿岸地域のガザには、約200万人のパレスチナ人が暮らしている。この飛び地では貧困率と失業率が高い。
ロイター通信