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トルコ、クルド人民兵の攻撃を受けてシリア戦略を変更

トルコは「既に反政府勢力が支配しているシリアのイドリブ県を巡ってロシアと緊張関係にあり、この緊張に新たな要素を増やすことは望まないでしょう」(ロイター/資料)
トルコは「既に反政府勢力が支配しているシリアのイドリブ県を巡ってロシアと緊張関係にあり、この緊張に新たな要素を増やすことは望まないでしょう」(ロイター/資料)
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19 Oct 2021 07:10:23 GMT9
19 Oct 2021 07:10:23 GMT9
  • 民兵は近隣のトルコの村に国境を越えた砲撃作戦を行っている

メネクセ・トキャイ

アンカラ:トルコはシリアのクルド人民防衛隊を迎え撃つため、自国の軍隊を配備する代わりに米国とロシアとの外交および代理軍戦略に移行していると、アナリストが伝えた。

これは、クルド人が支配するタル・リファート地域で民兵の激しい攻撃を受け、トルコ政府高官が戦争で荒廃したシリアに関する戦略の変更を示唆したことによる。この攻撃はトルコ人警官を標的としたものだった。

クルド人民防衛隊は近隣のトルコの村へ国境を越えた砲撃作戦も行っている。

レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、トルコ政府は「シリア北部の脅威を全て排除することを決意している」と述べた。同時にメブリュト・チャブシオール外相は、トルコは「安全保障のために必要なことを行う」と約束し、米国もロシアもシリア国境からの民兵の撤退を保証するという約束を守っていないと付け加えた。

しかしトルコ政府は、軍はシリア北部で「より一層困難な作戦」を続行すると発言しており、軍事行動を起こす前にトルコが米国やロシアとの外交的会談に臨むかどうかという議論に火をつけている。

クルド人民防衛隊はこの地域でのダーイシュに対する戦闘において米国が現地で提携している主要パートナーである。一方、トルコはこのクルド人組織とその政治部門である民主統一党(PYD)を、30年以上に渡ってトルコに対する内戦をしている非合法組織「クルディスタン労働者党」がシリアに進展した存在であると見なしている。

一方、シリア国民軍(SNA)のシリア解放戦線支部は、クルディスタン労働者党や民主統一党やダーイシュなどの「全てのテロ組織を我々の領地から一掃することを決意している」と述べた。

ワシントン研究所トルコ・プログラムのソネル・カガプタイ所長は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、トルコがシリアに入ってクルド人民兵の領地を制圧することを認めるたびに、反政府組織への支援を停止するようトルコに要求してきたと述べた。

「これにより領土の交換が行われています。トルコがYPG(シリアのクルド人民防衛隊)の領地を手に入れるか、バッシャール・アサド政権が反政府組織の手から領地を奪うか、どちらかです」

「しかし、我々が今まさに話題にしているこの新モデルは、これとは少々異なっています。現在、トルコ軍ではなくトルコがシリアで支援している軍隊が、プーチン氏との暗黙的な合意に基づいてYPGから領地を奪うために行動を起こす可能性があります」カガプタイ氏はアラブニュースにそう述べた。

カガプタイ氏によると、トルコ政府は幅広い戦略として、民兵が支配するゾーンを分断し、民兵組織の領地で将来的に何らかの政治団体が結成されることを防ぐことを目的としているという。

「先日のソチにおけるエルドアン氏とプーチン氏の合意は、この新モデルの実施を目指したものです」氏はそう語った。

米国とトルコの関係が特に繊細になっている時期であり、軍事行動よりも外交ルートに重きを置くことが一層強調されていると、氏は付け加えた。エルドアン氏は10月末のローマでのG20首脳会談の際にジョー・バイデン米大統領とこの問題について議論するものと思われる。

プーチン氏とはソチでも先日会談したが、エルドアン氏はバイデン氏との会談に続いてプーチン氏とも会談する予定だ。

ジャーマン・マーシャル・ファンド・米国のアンカラ支店長オズギュル・ウンルヒサルジクリ氏によると、トルコがクルド人民兵に感じている脅威は、クルド人国家が国境近くに建国される可能性があるのではないかということであると言う。

「そのためトルコ政府は、このようなことが起きるのを防ぐ対策として、できることを何でも実行しているのです」と同氏はアラブニュースに語った。

ウンルヒサルジクリ氏によると現在の状況は、YPGが支配しているシリア北西部と北東部の地域に対してトルコが軍事作戦を遂行するのは不適切であることを意味しているという。

そのため、トルコ政府は外交ルートを推進して効果的に物事を進めていくことになるだろう、と同氏は付け加えた。

「トルコは既に、反政府組織が支配しているシリアのイドリブ県を巡ってロシアと緊張関係にあり、この緊張に新たな要素を増やすことは望まないでしょう。トルコは米国との関係を改善しようと努めている時期であり、新たな頭痛の種を招きたくはないでしょう」と、同氏は語った。

一方、先週の記者会見でアントニー・ブリンケン米国務長官は、バイデン政権はアサド政権との関係を正常化する取り組みは支援しないと述べた。

また専門家は、イドリブ県にはトルコが支援する反政府組織の支配下に約4百万人の市民がおり、その命運はトルコがシリアとの関係における病巣を整えていく中で、近い将来重大なものとなるだろうと指摘する。移民が流入し、トルコ国内で政治的懸念が生じる可能性があるからだ。

英国に拠点を置くシリア人権監視団によると、土曜、トルコ国境近くのイドリブ北郊外にある反政府組織が支配するサルマダの町で政府軍による砲撃が行われ、4人が死亡、10数人が負傷したという。

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