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IAEA:イラン核開発の監視はもはや「完全」ではない

2021年5月24日、オーストリア・ウィーンのIAEA本部で報道陣の取材に応じる国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長。(ロイター)
2021年5月24日、オーストリア・ウィーンのIAEA本部で報道陣の取材に応じる国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長。(ロイター)
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20 Oct 2021 01:10:22 GMT9
20 Oct 2021 01:10:22 GMT9
  • 事務局長、イラン政府がイラン外相と同氏との面会の手配に「時間をかけている」と発言
  • イランが核武装するまでの期間は「継続的に短縮されるだろう」

アラブニュース

ロンドン:イランの核活動を監視するための暫定的な措置は、もはや「完全」ではないと、国連の核監視機関の責任者が警告した。

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は、『フィナンシャル・タイムズ』紙の取材に対し、イラン新外相との会談について、同国の核開発の監視を再開するための提案を協議する必要があると述べた。

グロッシ事務局長は、「ホセイン・アミラブドラヒアン外相とはまだ会談できていない」としたうえで、「政治レベルで外相とコンタクトを取ることが必要だ。外相との会談は欠かせない。会談が実現されなければ、お互いに理解することはできない」と語った。

2015年に経済制裁の緩和を引き換えにイランの核開発を抑制する「包括的共同行動計画(JCPOA)」(通称、イラン核合意)が決裂した後、これまでは仮設カメラなどの監視装置が不安定な状態を維持していた。

米国のバイデン政権は、イランとの核合意再交渉を望んでいたが、6月にイブラヒム・ライシ氏がイランの大統領に就任して以来、6回目となる間接協議が停滞している。

米国務省は、イランが「できるだけ早期に」ウィーンで行われている協議に復帰することを望んでいるが、ジョー・バイデン大統領は以前より「外交による試みが失敗した場合には、他の選択肢に切り替える用意があることを明確に」している。

イランは近年、核研究と核施設を着実に活性化させており、生産する濃縮ウランの濃縮度を高め、核兵器製造に必要な高濃縮レベルにまで近づけている。グロッシ氏は、イランが核兵器を製造するための十分な材料を手に入れるまで「数ヶ月以内」だと語っている。

イランがより効率的な遠心分離機を使用し、より多くのウランを濃縮するにつれ、「ブレークアウトタイム」と呼ばれる核兵器1個分の核燃料の製造にかかる期間は、「継続的に短縮されている」とグロッシ氏は指摘する。 

また同氏は、最近復活した遠心分離機を製造するイランのテサ・カラジ複合施設における作動中のカメラが「昨日」必要だったと加えた。

今年の2月には、映像の検証を一時的に見合わせることで妥協し、主要な場所における監視カメラによる録画を継続した。 

先月、グロッシ氏は、イランがテサ・カラジ施設における監視活動をイランが拒否したことに抗議した。同氏は、テサ・カラジ施設は、遠心分離機製造に関わる「非常に重要な」施設だと見ている。

グロッシ氏は、「同施設には問題があり、私はそれに取り組んでいる 」としたうえで、「その場しのぎ的な対応は、深刻な影響を受けており、監視は「完全」ではない。しかし、価値のないものでもない」と語った。

グロッシ氏は、イラン政府より「アミラブドラヒアン氏と面会できる」と言われたものの、「彼らは時間をかけている」と語った。

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