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ハリーリ元レバノン首相、サウジアラビアとの対立はヒズボラが原因であると発言

サアド・ハリーリ元レバノン首相、ヒズボラに対し一層の圧力を加える(AN 写真)
サアド・ハリーリ元レバノン首相、ヒズボラに対し一層の圧力を加える(AN 写真)
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30 Oct 2021 05:10:44 GMT9
30 Oct 2021 05:10:44 GMT9

カイロ:レバノンのサアド・ハリーリ元首相は金曜日、サウジアラビアをはじめとするレバノンと湾岸諸国との対立の原因は、イランが支援するヒズボラにあると発言した。

ハリーリ氏は、「この点に関しては、何よりもまずヒズボラと、ヒズボラが公言しているアラブ人と湾岸アラブ諸国に対する敵意に責任がある」とツイッターに投稿した。 

ハリーリ氏によるこの声明は、サウジアラビアが金曜日に「協議のため」にレバノンに駐在するサウジアラビア大使を召喚し、リヤドに駐在するレバノン特使に対し48時間以内に同国を退去するよう命じたことを受けて、発表されたものである。 サウジ政府はまた、同国内に向けたレバノンからの輸入をすべて禁止した。

今回の処置は、サウジアラビアが主導するイエメンへの軍事介入について、ジョージ・クルダヒ・レバノン情報相が行った発言を受けてのことである。サウジアラビアの放送会社MBCの元ニュースキャスターであるクルダヒ情報相は、イエメンのフーシ派民兵は外部からの侵略から自衛しているだけだと発言した。

サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、その他複数のアラブ諸国は、2015年にフーシ派によって追放されたイエメンの公式な政府の回復を支援するために連合軍を結成した。それ以来、イランが支援するフーシ派は、弾道ミサイルやロケット弾、爆発物を搭載したドローンなどをサウジアラビア国内の民間人を標的にして発射してきた。

この問題は、ナジーブ・ミカティ首相が率いるレバノン政権にとって、ベイルート港爆発事故に関する調査をめぐる問題により国内が政治的に麻痺している中での、新たな挑戦である。

サウジアラビアの今回の決定の直後、バーレーンがレバノン大使の同国退去を求めるなど、対立は湾岸諸国に拡大する恐れがある。

ミカティ氏は金曜日の夜、クルダヒ情報相との電話会談で、クルダヒ氏に対し国益を第一に考え、「アラブ諸国とレバノンの関係を修復するために正しい決断をしてほしい」と要請したと、クルダヒ氏の事務所が発表した。

この問題について詳しい関係者は、ロイター通信に対し、サウジアラビアの今回の行動は、さらなる事態の悪化を避けるため、クルダヒ氏に対し辞任するよう圧力をかけるものだと語った。

ミカティ氏は先に、サウジアラビアとの良好な関係を維持することを改めて表明し、アラブ諸国に対し、今回の危機を収束させるよう呼びかけた。しかし、危機を収束させるための具体的な行動を発表するには至らなかった。

発表された声明は、「また、兄弟関係にあるアラブ諸国の指導者らに、アラブの結束力を維持するために、この危機の克服に向け共に協力するよう求める」とした。

クルダヒ氏は、この発言を行った番組は情報相就任の約1ヶ月前に収録されたものであり、今回の件を受けて辞任することはないと述べ、ヒズボラから賞賛を受けた。

ミカティ氏は、イランの支援を受けたシーア派組織ヒズボラがレバノンに及ぼす影響により、長年に渡り緊張状態にあった湾岸アラブ諸国との関係について、これを改善することを望んでいた。

サウジアラビアの声明は、「テロ組織のヒズボラがレバノン国家の意思決定を支配したことにより、レバノンは、自国およびその国民にとっての最善を望まない構想を起草し実現する場となっている」としているとサウジアラビア国営通信『SPA』が報じた。

4月、サウジアラビアは、麻薬の密輸が増加しているとして、レバノンからのすべての果物と野菜の輸入を禁止した。 

このサウジアラビアによる輸入禁止措置は、現代で最も深刻な金融危機の一つに直面しているレバノンの経済的苦境に拍車をかけた。 

ロイター

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