ニルマル・ナラヤナン

リヤド：サウジアラビアは世界第2の経済大国である中国が中東地域との貿易関係を進展させるにあたって、アラブ世界への玄関口の役割を果たすことができると、サウジの投資大臣がリヤドで開かれたビジネス会議で述べた。

2022年の中国とアラブ諸国の間の貿易額は4,320億ドルで、うち25%をサウジアラビアが占めている。

サウジアラビアと中国の貿易額は2022年に1,060億ドルに達し、2021年から30%の増加を見た。

サウジアラビアのハーリド・アル・ファーレフ投資大臣は、サウジと中国の関係は過去数十年で「飛躍的に」発展したと指摘した。「現在、我々はアラブ世界と中国をつなぐ橋となるべく努めています」と大臣は6月11日に始まったアラブ・中国ビジネス会議で述べた。

アル・ファーレフ大臣はさらに、以下のように続けた。「中国は先進テクノロジーと技術革新の分野で指導的役割を果たしています。我々アラブ諸国には、この分野を支援するための決意と人的資源、資金が備わっています」

会議の席上、サウジアラビア外務大臣、ファイサル・ビン・ファルハーン王子は中国企業にはアラブ諸国での巨大な投資のチャンスがある一方で、中東地域の国々はより良い未来を築くために中国の技術的な専門知識を活用することができると述べた。

「中国の持つテクノロジーと能力により、我々は次世代のための経済と未来を作ることができるでしょう」と王子は付け加えた。

アラブ諸国と中国の総貿易額は2022年、前年比で31%成長したと指摘したうえで、ファイサル王子は世界第2位の経済大国中国はアラブ諸国にとり最大の貿易相手国だと述べた。

ファイサル大臣はまた、アラブ・中国ビジネス会議のような催しは両地域間の貿易関係をさらに高めるだろうとも発言した。

「今日の会合は、アラブ・中国間の歴史的関係をさらに進展させ、我々の国民すべてに幸福をもたらし、世界の平和と発展を保つ新時代に向けた、共通で共同の未来を築く機会です」とファイサル王子は会議初日に述べた。

ファイサル王子はまた、昨年の中国の習近平主席のリヤド訪問は、両国間の関係強化に決定的役割を果たしたと指摘した。

「昨年の中国の習近平主席のリヤド訪問が成功に終わったことで、両国の関係は政治、経済、投資、商業などすべてのセクターと分野で深化しました」とファイサル王子は述べた。

中国人民政治協商会議国家委員会の胡春華副議長は、世界が複数の経済的難題を経験する中でアラブ諸国と中国の貿易が増大している点に同意した。

「今年は一帯一路構想の提示から10年目に当たります。アラブ諸国はその地理的位置ゆえに、当然この構想のパートナーなのです」と胡氏は述べた。

習主席の外交政策の目玉として広く知られる一帯一路構想は、2013年に中国政府が採用した世界規模のインフラ開発戦略で、150以上の国および国際機関に投資を行うとされた。

第10回アラブ・中国ビジネス会議はサウジアラビア投資省および外務省によりアラブ連合事務総局、中国国際貿易促進委員会（CCPIT）、アラブ商工会議所の協力のもと開催される。 

2日間にわたる会議には2,000人以上が参加する見込みで、期間中には20ものパネルディスカッションが開催され、一流企業のCEO、経営者、投資家、政府関係者が中東地域と中国の貿易関係強化のための知見を共有する。