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中東諸国は現実的な目標を掲げ二酸化炭素排出量実質ゼロを実現する

しかし、第1回目の「中東グリーン・イニシアティブ」から得られた真のメッセージは、二酸化炭素排出量実質ゼロの未来への移行は段階的なものでなければならず、地域の経済成長に悪影響を与えてはならないというものであった。(GettyImages)
しかし、第1回目の「中東グリーン・イニシアティブ」から得られた真のメッセージは、二酸化炭素排出量実質ゼロの未来への移行は段階的なものでなければならず、地域の経済成長に悪影響を与えてはならないというものであった。(GettyImages)
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01 Nov 2021 04:11:59 GMT9
01 Nov 2021 04:11:59 GMT9
  • 中東地域の首脳らは、エネルギー転換を「段階的」に行うことを望んでいる

マイケル・グラッキン

ロンドン:中東諸国の首脳は、今週初めにリヤドで会合を開催した際、自然エネルギーへの投資を強化することを強調した。

しかし、第1回目の「中東グリーン・イニシアティブ」から得られた真のメッセージは、二酸化炭素排出量実質ゼロの未来への移行は段階的なものでなければならず、地域の経済成長に悪影響を与えてはならないというものであった。

湾岸諸国の経済は、当然ながら石油収入に大きく依存している。

しかし、地球温暖化対策に対し現実主義を訴えたのは、産油国の首脳陣だけではなかった。

世界最大の資産運用会社である米ブラックロック社の会長であり、億万長者であるラリー・フィンク氏も同様の見解を示した。フィンク氏は、米国の気候変動担当大統領特使であるジョン・ケリー氏は、国連副事務総長のアミーナ・モハメッド氏、英銀HSBCホールディングスのノエル・クイン最高経営責任など、中東グリーン・イニシアティブに出席するため、リヤドを訪れた著名な金融・政治関係者らの中の一人である。

フィンク氏は、評価額が10億ドル以上の価値を持つベンチャー企業である「ユニコーン」のうち、今後1000社は持続可能な企業であると予測する一方で、世界最大の資産運用会社であるブラックロック社は、炭化水素から離れる予定はないことを確認した。

フィンク氏はこのように述べた。「我々は、炭化水素企業を支持しており、これらの企業が今後、グリーン技術によるグリーン革命の解決策に寄与すると信じている。」

これは、サウジアラビアのエネルギー大臣であるアブドルアジーズ・ビン・サルマン王子が「中東グリーン・イニシアティブ」で発表したコメントと同じである。アブドルアジーズ王子はこのように述べた。「我々は、炭化水素の使用期間を延長するための技術開発に取り組んでいる。しかしその方法は、炭化水素の使用を減少させるものであり、二酸化炭素の排出量を増加することにはつながらない。」

さらにアブドルアジーズ王子は、世界の需要の10%を供給する世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアが、石油・ガスから「離れる」のではなく、同国のエネルギー基盤と経済全体を拡大するための「多様化」を進めていることを改めて強調した。

 

アブドゥルアジーズ王子はこう付け加えた。「サウジアラビアは、太陽光発電の電気消費料金がもっとも安価であり、風力に関しては最も安く、今後も競争力を維持できると信じている。サウジアラビアは、今後も水素を生産し続け、また最も安価な水素の生産者となるだろう。」

世界第6位の産油国であるイラクの副首相兼財務相を務めるアリ・アラウィ氏は、二酸化炭素排出量実質ゼロへの移行が「段階的に」進められることを求めた。

 また、アリ・アラウィ氏は、開発途上国が排出量目標を達成できるよう、欧米諸国は知識や技術の移転をさらに進める必要があると述べた。

今回のサミットで、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、2060年までにサウジアラビアは二酸化炭素排出量実質ゼロを達成するという公約を改めて表明した。この目標についてサウジアラビアは、国際社会の目標基準である2050年よりも現実的であると主張している。なぜなら、エネルギー転換に必要な新技術の多くは、少なくとも2040年までには完全に有効にならないからだ。

バーレーンはサウジアラビアと同じ時期までに二酸化炭素排出量実質ゼロを達成することを約束した。一方UAEは2050年までに排出量実質ゼロを達成するとしているが、同時に2030年までに石油生産能力を25%拡大することも計画している。

また、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、中東の二酸化炭素排出量削減を目的とした104億ドルの地域基金の一環として、気候変動対策に10億ドルを投資することを発表した。また、サウジアラビアは、炭素回収・貯留センター、早期暴風雨警報センター、クラウドシーディング(人工降雨)プログラム、気候変動対策拠点の域内設立に取り組む計画についても発表した。

一方、サウジアラビア独自の「サウジ・グリーン・イニシアティブ」プログラムでは、2030年までに総額約1,900億ドルの多様な個別投資を行う予定である。これには二酸化炭素の回収、空気から温室効果ガスを取り出すことを可能にする技術である直接空気回収、水素などが含まれている。

さらに、サウジアラビアは、年間約3億トンの二酸化炭素排出量を削減するために、4億5千万本の木を植えることを計画している。

「中東グリーン・イニシアティブ」について、国連事務副総長のアミーナ・モハメッド氏は、今回のサミットが、地域経済を持続不可能な開発から、「21世紀の課題に適した」モデルへと移行させるための戦略的ビジョンを提供するものであると述べた。

さらにモハメッド氏はこのように加えた。「中東地域の石油・ガス産業からの二酸化炭素排出量を削減するだけでなく、新たな炭素吸収源を生み出し、植林によって広大な土地を回復・保護することにもつながる。」

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