• 国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）のフィリップ・ラッツァリーニ事務局長は、同機関は地下の施設については何も知らなかったが、この調査結果は、現在進行中の戦争のため同機関が行うことができない「独立した調査」に値するものであると述べた。

ガザ市（ガザ地区）：イスラエル軍は、ガザ市にある国連パレスチナ難民救済機関（UNRWA）の本部の地下にトンネルを発見したと発表し、ハマスの武装組織がその空間を電力供給室として使用していたと主張した。

トンネルの公開は、ハマスとの協力を非難され、窮地に立たされている同機関に対するイスラエルの作戦の新たな展開となった。

10月7日のハマスによるイスラエル襲撃に十数名の職員が参加したというイスラエルの最近の主張により、同機関は財政危機に陥った。主要援助国は資金提供を停止し、双方向の調査が開始された。

同機関によれば、イスラエルは同機関の銀行口座も凍結し、支援物資の輸送を禁じ、税制上の優遇措置も取りやめたという。

イスラエル軍は8日、記者たちをトンネル見学に招待した。

ハマスの武装勢力がUNWRA施設の地下のトンネルで活動していたことは明確に証明されなかったが、トンネルの少なくとも一部が施設の中庭の下を通っていることがわかった。イスラエル軍は、UNRWA本部がトンネルに電気を供給していると主張した。

UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長は、同機関は地下の施設については何も知らなかったが、この調査結果は、現在進行中の戦争のため同機関が行うことができない「独立した調査」に値するものであると述べた。

ガザ市の西端にある同機関本部は、現在完全に破壊されている。トンネルを発見するために、イスラエル軍はガザ地区の他の場所でも使用している戦術を繰り返し、赤土の山を掘り起こして、小さなトンネルの入り口に通じるクレーターのような穴を作った。発掘されたシャフトは地下通路につながっており、AP通信の記者は、長さは少なくとも500mで、少なくとも10個のドアがあると推定した。

ある場所では、記者はトンネルから穴を通して上方を眺め、UNWRA施設内の中庭に立つ兵士とアイコンタクトをとることが可能だった。

UNWRAの建物のひとつで、記者たちは、地面の下まで伸びるワイヤーと繋がった多くのコンピューターが並ぶ部屋を目撃した。その後、兵士たちは地下トンネルの部屋を見せ、ここにワイヤーがつながっていると主張した。

その地下の部屋には、色とりどりのボタンがついた電気キャビネットの壁があり、何十本ものケーブルが並んでいた。イスラエル軍は、この部屋はこの地域のトンネルインフラに電力を供給するハブとして機能していると主張した。

「我々の20m上にUNRWA本部がある」とイド中佐は語った（同氏の姓は軍によって伏せられた）。「ここが電気室で、すべてを見てとることができる。バッテリー、壁の電気、すべてがここから供給されており、今通ってきたトンネルのすべての電力は、ここから供給されている」

AP通信の記者は、トンネルが施設の下のエリアを越えて伸びているのを確認した。

ハマス側は、ガザに何百キロものトンネルを建設していることを認めている。イスラエルの攻撃の主な目的のひとつは、ハマスが戦闘員、武器、物資を領土内全域に輸送するために使用しているとする、このネットワークを破壊することである。イスラエルは、ハマスが民間人を人間の盾にしていると非難し、モスクや学校、国連施設の近くを通っている多くのトンネルを暴露した。

ラザリーニ事務局長は、施設の下に何があるのか​​同機関は把握していないとし、何度もこの施設を訪れているが、電気室には気づかなかったと述べた。ラザリーニ事務局長は声明で、UNWRAは9月にこの施設の四半期毎の定期点検を行ったと記した。

「UNRWAは、人間開発と人道支援を目的とする組織であり、軍隊や安全保障の専門知識を有さず、その施設の下にあるもの、あるいはある可能性のあるものに対して軍事的な調査を行う能力もない」と声明には記されている。

また記者たちはトンネル内で、トイレと蛇口のある小さなバスルーム、棚のある部屋、そして武装勢力がトンネル網の移動に使用したと兵士が主張する小型車両2台が置かれた部屋を目にした。イスラエル軍は10日夜、トンネルはUNWRAの学校から始まり、長さ700m、深さ18mだったと発表した。

同軍は、この施設でライフル、弾薬、手榴弾、爆発物が発見され、これらはハマスの武装勢力によって使用されてきたと主張した。ラザリーニ事務局長によれば、10月12日に職員が避難して以来、同機関は本部を再訪しておらず、この施設がどのように使用されていたのか把握していないという。

イスラエルは、4ヶ月に及ぶガザでの軍事作戦中、ガザ全域のトンネルで同様の原始的な居住区を発見している。この攻撃は、10月7日にハマスの武装組織がイスラエルを襲撃し、約1200人が殺害され、250人の人質がガザに連れ去られたことを受けて始まった。それ以来、イスラエルの戦闘機と地上部隊は、ガザ地区で27,000人以上のパレスチナ人を殺害し、人道的大惨事を引き起こし、広範囲に損害を与えた。

施設を出ると、完全に無傷のまま残された窓を見つけるのはほぼ不可能だった。壁には蜂の巣状の弾痕があった。破片があちこちに散乱し、破壊された国連の車両が建物の瓦礫の上に不安定に止まっていた。犬が辺りを歩き回っていた。

トーマ氏はイスラエルの主張に対し、「イスラエル軍はUNRWA最大の本部を占拠している」「それこそが言語道断だ」と述べた。

AP