
エルサレム:16日、パレスチナ人男性1人が占領地ヨルダン川西岸地区で、イスラエルの銃撃を受けて死亡したと、パレスチナの保健当局者が発表した。
パレスチナ保健省は、サダム・フセイン・ベニ・オデフ氏26歳が、北部の都市ナーブルス近郊の町、タムンの入り口でイスラエル兵に銃撃されたと発表した。
多くのパレスチナ人は、1991年の第一次湾岸戦争でイスラエルをスカッドミサイルで攻撃した故イラクの指導者を尊敬し、彼にちなんだ名前を子どもにつけていた。
銃撃の状況は不明であり、イスラエル軍は今のところコメントを出していない。
イスラエル軍は、占領地ヨルダン川西岸地区では、国際的に認められた機関であり、同地区の一部で限定的な自治権を有しているパレスチナ自治政府の支配下にある地域でも、しばしば逮捕捜査を行っている。パレスチナ人は、しばしばイスラエルのパトロールに石や火炎瓶を投げつけ、実弾による反撃を受けている。
ここ数ヶ月、ヨルダン川西岸地区では、暴力が増加している。先週には、石を投げるパレスチナ人との衝突中に、13歳のパレスチナ人の少年がイスラエルの銃撃を受けて死亡した。また、イスラエル人入植者によるパレスチナ人に対する襲撃も相次いでいる。
約50万人のユダヤ人入植者が、ヨルダン川西岸地区全土に点在する130以上の入植地に住んでいる。パレスチナ人は入植地を、イスラエルと共存する形で実現できるパレスチナ国家建設の主要な障害と見ている。このような国家建設は、今でも国際的に紛争解決の唯一の手段と見なされている。国際社会のほとんどは、入植地を違法と見なしている。
イスラエルは、ヨルダン川西岸地区を、聖書的にも歴史的にもユダヤ人の中心地であると考えている。ナフタリ・ベネット首相は、入植地の強力な支持者であり、パレスチナ国家の建設に反対し、長く停滞している和平プロセスの復活には全く関心を示していない。しかし、首相は軋轢を減らし、パレスチナ人の経済状況を改善するための措置を求めている。
AP