
ナジャ・フーサリ
ベイルート:トルコのメブリュト・チャブシオール外相は、16日にベイルートで行った記者会見で、レバノン政府が同国の危機を克服し、議会選挙を実施することへの支援を呼びかけた。
チャブシオール氏は、レバノンのシリア難民問題に言及しながら、「レバノン国民が、地域の駆け引きの代償を払わなければならないのはおかしい」と強調した。「レバノンはその問題が早急に解決されることを待っている」
チャブシオール氏は、ミシェル・アウン大統領、ナビーフ・ビッリー議会議長、ナジーブ・ミカティ首相と会談した後、レバノンのアブドラ・ベンハビブ外相と共に会見した。
また同外相は訪問の一部を、トルコ政府が資金提供している複数の開発プロジェクトを通じてレバノンにおけるトルコの存在感を強調することに充てた。
チャブシオール氏のレバノン訪問は、2016年以降で4度目だ。
同外相はベイルート訪問の目的を、「レバノンに対するトルコの支援を強調するとともに、ミカティ(首相)をトルコに招待し、訪問の事前調整を行うため」と述べた。
「特に、レバノン人の一番の訪問先がトルコとなっており、トルコ人のレバノン好きは有名なため、観光とエネルギー分野を発展させる方法について我々は議論した」
同外相は次のように付け加えた。「両国はシリア危機の影響を最も受けているため、我々は地域の問題について議論した。友好国レバノンの国民が、地域の駆け引きの代償を払わなければならないのはおかしい」
レバノン大統領府広報室は、アウン大統領が同トルコ政府高官に対し、「シリア国内の難民に支援を提供し、帰還を促すよう国際社会に圧力をかける観点から、大部分が安全になってきているシリア難民の本国への帰還を容易にする上で、トルコが提供できるあらゆる支援を歓迎する」と伝えたと言及した。
アウン大統領は、「トルコ、ヨルダン、イラクの間でそのための地域的取り組みの調整を行うこと」を支持すると述べ、「特に貿易収支が現在トルコにとってプラス寄りに傾いているため、レバノン製品をトルコが輸入する割合を増やすこと」を求めた。
大統領はまた、「キプロス北部のマロン派キプロス人の村への帰還について、物流や新型コロナウイルスのパンデミック関連の理由で遅れが生じたことを受けて、これを支援するようトルコに要請」した。
来年3月に予定されている議会選挙について、チャブシオール氏は期日通りに実施する必要性を強調した。
「我々は常にレバノンの主権、独立、安全保障を重視し、ベイルートとアッカールでの爆発後には、必要な支援を提供してきた」と、チャブシオール氏は述べた。「我々はまた、レバノンの安定と安全のために戦っている軍隊と治安部隊も支援している」
同外相はつぎのように付け加えた。「我々は国連レバノン暫定軍(への参加を)1年間延長することで支援を新たにし、これに関して活動する部隊を設けている」
ベンハビブ外相は、トルコが「レバノン製品輸出のために、同国市場を開放する」ことを希望すると述べた。
レバノンは「あらゆる国々と良好な関係を維持することに熱心に取り組んでおり、トルコの支援と援助、並びに、国連レバノン暫定軍に1つの国として参加していることに非常に感謝している」と、同大臣は付け加えた。
大臣は次のように述べた。「我々とトルコ外相は、両省間の親交関係確立を強化するための協力協定に署名し、他の分野での覚書の策定に取り組んでいる」
ベンハビブ外相は、「レバノンとトルコはシリア難民問題の重荷に苦しんでいる」と指摘した。
同外相は、「難民問題に対処する取り組みを統一する必要性を訴え、国際社会に対し、各国間で公平に負担を分かち合うか、本国への帰還に取り組むよう求めた」