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ベイルート港爆発事故の担当判事が前大臣の緊急逮捕を求める

レバノンのシーア派組織であるヒズボラ・アマル連合とキリスト教組織・マラダ運動の支持者らが、ベイルート港爆発事故の調査を担うタレク・ビタール主任判事に対する抗議活動を行っている。ベイルートにて10月に撮影(写真提供:ロイター通信)
レバノンのシーア派組織であるヒズボラ・アマル連合とキリスト教組織・マラダ運動の支持者らが、ベイルート港爆発事故の調査を担うタレク・ビタール主任判事に対する抗議活動を行っている。ベイルートにて10月に撮影(写真提供:ロイター通信)
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11 Dec 2021 08:12:11 GMT9
11 Dec 2021 08:12:11 GMT9
  • 2020年8月4日にベイルート港にて発生した大規模な爆発事故の捜査は2ヶ月間の中断を経て、8日に再開した

ベイルート:ベイルート港爆発事故の捜査を担当するレバノンの判事は10日、裁判への出廷を拒否してきた前大臣の緊急逮捕を要請したと、司法当局関係者が伝えた。

2020年8月4日にベイルート港で発生した大規模な爆発事故の捜査は、担当判事であるタレク・ビタール氏の業務を妨害する目的によるとみられる複数の訴訟によって2ヶ月間中断していたが、8日に再開した。

裁判所が、主に調査の対象となっている有力政治家により提出されていたビタール判事に対する訴訟を却下したことで、ビタール氏は当該事故の捜査を再開することが可能となった。

匿名の条件で伝えた司法当局関係者によると、捜査再開後にビタール氏が最初に行った業務は、前財務相であるアリ・ハッサン・ハリル氏に対する逮捕令状を検事総長に提出することだった。

ビタール判事は、シーア派政党・アマルを率いるナビーフ・ビッリー議会議長の女房役とされるハリル氏の「即時」逮捕を要求した。

国内治安部隊のエマード・オスマン長官は当初、ハリル氏に対する逮捕要請を、憲法のある条項を引用し、拒否していた。

「治安機関が逮捕令状の執行を拒否することは、司法機関の決定に逆らうという危険な前例を構成することになります」と、前出の司法筋は述べた。

政治の指導部が、最高裁判所を含む司法機関の任命権を握るレバノンでは、司法が権力層の意向に反する業務を行える余地はほとんどない。

爆発事故に関して政府の主要人物を問いただすというビタール判事の決心は、犠牲者の遺族や、特にシーア派のヒズボラ・アマル連合といった権力層と対立する政敵から、尊敬を集めることとなった。

10月には、シーア派の2政党が捜査チームのトップからビタール判事を解任することを求め、死者を伴う武力衝突まで発生した。

2政党はそれ以後、ビタール氏の解任を強要するため、レバノン内閣の閣議の実施を阻んできた。

2020年に発生したベイルート港爆発事故では215名が死亡し、6500名以上が負傷した。また、ベイルート港の大部分と首都の全域が壊滅的な被害を受けた。

爆発の原因は、ベイルート港に長年、不適切な方法で保管されていた大量の硝酸アンモニウムだった。この点に関して、政府当局の重大な過失があったとして告発が相次ぐこととなった。

AFP

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