ドバイ:米海軍は16日、麻薬を密輸していた疑いのある5人のイラン人を、火災を起こした帆船から救出したと発表した。火災は、昔ながらの帆船に隠しもっていた麻薬に容疑者らが放火したことで発生したと見られている。依然として1人が行方不明。
米海軍は、ダウ船と呼ばれる伝統的な帆船が、15日にアラビア湾のオマーン沖を航行している場面を捉えた航空機による監視映像を公開した。乗船者らが放火したと見られる後に帆船から煙が立ち上り、爆発の衝撃により船が揺れている様子が確認できる。
その後、米海軍哨戒艇・シロッコが現場海域に到着し、乗組員が密輸業者らを救出した。また乗組員は、1745キログラム以上のハシシ、500キログラムのメタンフェタミン、30キログラムのヘロインを回収した。米海軍の見積もりによると、回収された麻薬は1470万ドルに相当するという。
中東に拠点を置く米海軍第5艦隊の広報であるティモシー・ホーキンス中佐の発表によると、乗組員らの認識では、回収された麻薬はダウ船に積まれていた全量の半分ほどで、残りは火災により焼失したか帆船と一緒に沈没したとみられるという。
ダウ船から救出された5人のイラン人は医療手当てを受け、現在はオマーン当局に引き渡されていると、海軍が伝えた。イランは16日の時点で、当事案を認める声明は出していない。
中東に駐留する米海軍と同盟国の海軍は、同地域全域の航路において麻薬撲滅作戦を実施している。密輸業者らは同海域でダウ船を利用し、アフガニスタン産のヘロインや他の麻薬を静かに輸送していることが多い。
AP