
バグダッド:イラクは、かつての独裁者サダム・フセイン大統領によるクウェート侵攻から30年以上を経て、この湾岸国に最後となる戦争賠償金を支払った。当局が23日に発表した。
1990年8月2日、フセイン氏は軍に対し、クウェートへの侵攻と、「イラクの19番目の県」と自身が呼ぶ同国の占拠を命じたが、その7ヶ月後に米国主導の多国籍軍により撤退を余儀なくされた。
「イラクは最後の賠償金を支払い、クウェートに対する戦争賠償を終結した」と首相の経済顧問モザー・サレーハ 氏が述べた旨を、国営イラク通信社が報じている。
イラクは賠償金として総額524億ドルを支払った、と同氏。「これは少なからぬ額だ」とさらに同氏は語る。「これは、長年にわたりイラクを支える電力網を構築するのに十分な額だっただろう」
炭化水素鉱床に恵まれているにもかかわらず、イラクの電力インフラは長年の怠慢と相次ぐ戦争で打撃を受け、停電が頻発している。
サレーハ 氏は、これまで賠償金に割かれていた予算がこれからは開発プロジェクトに充てられることを望む、と語った。
イラク中央銀行は23日、最終分の賠償金(4400万ドル相当)の支払いを発表した。
賠償金支払いは、イラクの広範な地域がダーイシュに制圧された2014年に中断されたが、ダーイシュの敗北後、2018年に再開された。
賠償金の財源は、イラクの石油と石油製品の売上に課された5%の税。
AFP