
テヘラン:イランのメディアによると、イラクの外務大臣が23日、イランと米国との直接対話を呼びかけた。
数日後には、頓挫した核合意について大国がウィーンで対話を再開させることになっているが、そうしたタイミングでの訴えは珍しい。
イラクのフアード・フセイン外相は、テヘランでイランの外相と会談した後に記者会見を開き、イランと米国(両国ともイラクの強力な同盟国)が緊張関係にあることでイラクに直接的な影響が及んでいると強調した。
イラクは今も米国の中東安全保障政策において重要な位置を占めているが、イランの支援を受けた武装勢力が国内で権勢をふるっている。
「イラン・米関係が正常化すれば、政治・経済・安全保障の観点からイラン国内の状況に良い影響がある」とフセイン外相は語った。
さらに「イランと米国は直接話し合い、核問題のみならず、イランへの制裁についても共通の理解をすべき時だろう」と続けた。
イランは2015年に大国と核合意を結び、核開発の抑制と引き換えに制裁解除を取り付けた。
だが3年前、ドナルド・トランプ大統領が率いる米国は合意から離脱した。イランはそれに対抗して核開発を進め、現在ではウランの濃縮度を兵器レベルに近い60%まで高めている。
保守派のイブラヒム・ライシ大統領の就任以来、イランは強硬姿勢で交渉に臨んでおり、ウィーンで交渉の席に着いているヨーロッパ諸国の間では狼狽が広がっている。歴史的な核合意の調印国は27日に交渉を再開する、とEUは述べている。
フセイン外相とともに記者会見に臨んだイランのホセイン・アミラブドラヒアン外相は、イランが核開発を後退させる前に米国が制裁を解除すべき、というこれまでの主張を繰り返した。
アミラブドラヒアン外相は「イランの平和的な核開発に対する懸念を払拭したいなら、核合意に関連した制裁をすべて解除する必要がある、と声高に訴える」と欧米諸国に向けて発言した。
AP