
モハメド・アブ・ザイド
カイロ:エジプトのアスワン西部で、約20体のミイラが眠るグレコ・ローマン時代の墓が発見された。
アガカーン廟付近で考古学調査を行っていたエジプト・イタリアの合同チームが発見した。
考古最高評議会のモスタファ・ワジリ事務局長によると、墓は2つの部分から構成されており、一つ目の部分は地上にあり、二つ目の部分は岩を掘って作られたものだという。
アスワン・ヌビア古代遺跡群の事務局長で、今回のプロジェクトでエジプトチームのリーダーを務めるアブデル・モネイム・サイード氏によると、一つ目の部分は砂岩と泥レンガで出来た長方形の建物で、墓の入口は石のブロックで囲まれており、泥レンガをアーチ型に並べて出来た天井で覆われていたとのことだ。
また、二つ目の部分は岩を掘って出来たもので、入口は長方形の中庭へと通じており、そこには岩を彫って作られた埋葬室が4つあったとのことだ。4つの埋葬室には20体のミイラが眠っており、そのほとんどが良好な保存状態であったという。
事前の研究では、大規模なこの墓には複数の家族の遺体が眠っていることが示唆されていた。
当プロジェクトのリーダーを務めるミラノ大学のパトリシア・ピアチェンティーニ・エジプト学教授は、奉納品のテーブル、ヒエログリフが刻まれた石板、ギリシャ文字やギリシャ語の「ニコストラトス」の文字で飾られた銅のネックレス等、グレコ・ローマン時代の考古学的遺物が墓内から数多く発見されたと語った。
同時に、複数の棺が良好な状態で発見されており、そのうちのいくつかは砂岩で作られたものであった。