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パレスチナ外相、和平に向けた米国の動きは遅すぎると指摘

パレスチナのリアド・マルキ外務大臣。(AFP通信)
パレスチナのリアド・マルキ外務大臣。(AFP通信)
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21 Jan 2022 05:01:25 GMT9
21 Jan 2022 05:01:25 GMT9
  • マルキ氏は、米国は「イスラエルの現政権に植民地政策を放棄させ、二国家解決と和平交渉を拒否する姿勢を放棄させることを依然として保証していない」と述べた

ニューヨーク:パレスチナのリアド・マルキ外相は20日、ドナルド・トランプ前大統領の政権が実施したパレスチナ人に対する敵対的な政策をすべて撤回する動きが遅すぎるとして、米国のジョー・バイデン大統領を批判した。また、バイデン氏はイスラエルに圧力をかけて 「二国家解決と平和交渉を拒否する姿勢」を放棄させるために米イスラエル間の特別な関係を利用していないと批判した。

マルキ氏は国連安保理で、ドナルド・トランプ政権とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の政権が終わったことは、「和平に向けた新たな機運の下準備として十分だろう」という期待があると語った。

マルキ氏は、バイデン政権はトランプ政権によるいくつかの「不法で軽率な」政策を撤回したがその動きは遅く、とりわけ、東エルサレムの米国領事館を再開するという米国の約束に関しては著しく遅いと指摘した。領事館の再開は、双方が権利を主張する東エルサレムにおいて、パレスチナ人に対する米国政府の主要な在外公館を復活させることになる。

マルキ氏はのちに記者団に対し、バイデン氏が1年前に大統領に就任した後、パレスチナ人は米国が「イスラエルの立ち位置を動かして我々に近づけようとするかもしれない」と考えていたと語った。

「しかし我々は、イスラエルが米国の立ち位置を少しばかりイスラエル寄りにすることに成功するのを目撃しており、このことは我々の大きな悩みの種となっている」

マルキ氏は、米国は「イスラエルの現政権に植民地政策を放棄させ、二国家解決と和平交渉を拒否する姿勢を放棄させることを依然として保証していない」と述べた。

「これは受け入れられない姿勢であり、容認も正当化もされるべきではない。この姿勢は撤回されなければならない」

マルキ氏は、19日にリンダ・トーマスグリーンフィールド米国大使と「非常にオープンで率直な話し合い」を行ったと明らかにし、米国とパレスチナの関係、和平プロセス、米国に対するパレスチナ人の期待、そして「物事が正しい方向に進むために、近い将来に米国がやろうとしていること」などについて協議したと述べた。

マルキ氏は、ワシントンにあるパレスチナ代表部の再開に関して米議会が課している制限を取り払う方法について、パレスチナが米政権と協議を進めていると述べた。

トル・ウェネスランド国連中東和平特使は、ヨルダン川西岸地区で過去1か月間にパレスチナ人6人がイスラエルの治安部隊に殺害され、別の1人が不明な状況下で死亡し、子ども46人を含む249人が負傷したと国連安保理で発言した。

ウェネスランド氏はまた、パレスチナ人による攻撃でイスラエル人15人が負傷したと述べた。

マルキ氏は、数十年にわたるイスラエル・パレスチナ紛争を解決し、二国家解決を救うための緊急の行動を取るよう国連安保理に呼びかけた。マルキ氏はまた、イスラエルが入植地建設を加速させ、パレスチナ人の家屋の取り壊しや土地の収用を行い、「さらにはパレスチナの領土を併合している」と指摘した。

「こうした危機感がないならば、二国家解決に別れを告げる覚悟をしなければならない。また、二国家解決の終焉がパレスチナ人をはじめとする数百万人の人々の命に及ぼすあらゆる影響も覚悟しなければならない」とマルキ氏は警告した。

マルキ氏は、「パレスチナ人は生き残るだろう。しかし、二国間解決は生き残らない可能性がある」と述べた。

「その時は何が起きるのか。川と海の間に住むすべての人に自由と平等な権利を与えるという一国家解決の擁護者に転向するというのか。その時にはそうした選択肢しか残っていないだろう」

マルキ氏は国際的な平和会議への支援を呼びかけた。また、米国、国連、EU、ロシアで構成する中東カルテットによる閣僚会議を開催し、「現在のこう着状態から抜け出す取り組みを可能な限り早く実施する」というロシアの呼びかけに同調した。

マルキ氏は、国連、EU、ロシアは閣僚会議の開催に同意したが、「我々は米国側の承認を待っている」と述べた。

マルキ氏は、中東和平プロセスを前進させるために、米国以外のカルテットメンバーが閣僚会議の重要性について米国を説得する必要があると述べた。

トーマスグリーンフィールド米国大使は、国連安保理に対するブリーフィングでマルキ氏との会談や中東カルテットについて言及しなかったが、バイデン政権の「二国家解決に対する強い支持」を改めて表明し、「今年は紛争の政治的解決に向けた取り組みを再開する機会になる」と述べた。

11月にイスラエルとヨルダン川西岸地区を訪問したトーマスグリーンフィールド氏は、イスラエルとパレスチナが「相互不信の悪循環に陥っている」と繰り返した。

トーマスグリーンフィールド氏は、「イスラエル人は和平のパートナーがいると信じていない。一方でパレスチナ人は政治的な展望が全くないことから生まれる絶望にとらわれている」と述べた。

トーマスグリーンフィールド氏は、前に進むためには緊張を高めて二国家解決に向けた取り組みを台無しにするような一方的な行動を双方が慎まなければならないと指摘した。

トーマスグリーンフィールド氏は、「つまり、イスラエルは領土の併合、入植活動、そして『我々がシェイク・ジャラー地区で目撃したような』立ち退きの強制と家屋の取り壊しをやめるべきだ」と述べた。エルサレムにある同地区では19日、イスラエルが係争中の土地からパレスチナ人を立ち退かせて家屋を取り壊している。トーマスグリーンフィールド氏は続けて、パレスチナ人は「テロ行為」で投獄された人に対する補償金の支払いと暴力の扇動をやめるべきだと述べた。

AP通信

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