
ナジャ・フーサリ
ベイルート:クウェートから訪問中のアフマド・ナーセル・アル・ムハンマド・アル・サバーハ外務大臣兼内閣府担当大臣は23日、レバノンは「希望の場所」であり、「侵略の舞台になるべきではない」とベイルートで発言した。
首都への訪問2日目、アル・サバーハ外務大臣はレバノン政府高官らとの分科会中に「いかなる侵略の舞台にもさせず、全ての国境は国によって統制されるべきである、というクウェート、アラブ諸国および海外からのレバノンへのメッセージ」へ誓約を新たにした。
外務大臣は23日、ミシェル・アウン大統領とナビーフ・ビッリー議会議長、バサム・マラウヴィ内務大臣に面会した。
クウェート外務大臣との協議の後、アウン大統領は「アラブ諸国との最良の関係性を維持することに確固とした熱意」がレバノン側にあることを強調した。
クウェートの外務大臣が、ナジーブ・ミカティ首相と会談したのは23日の夜のことだ。
また、29日にクウェート訪問を予定しているアブダラ・ボウ・ハビブ外務大臣とも面会した。
クウェートは現在、アラブ連盟の閣僚理事会議長を務めている。
アル・サバーハ外務大臣は、レバノンと国際舞台間での信頼回復を目指す様々な国際的取り組みの中で、今回の訪問に至ったと述べた。
クウェートの外務大臣の発表で挙げられたのは3つの主題だ。
1つ目は、「兄弟のようなレバノンの人々への共感、連帯、相乗効果、そして愛」を伝えるメッセージである。
2つ目には、アル・サバーハ外務大臣がレバノン政府高官らへ対し、アラブ諸国の内政全般、特にアラビア湾岸問題への干渉を控えると同時に中立の立場を取り、自国が「侵略の舞台にならないようにする」ことを促した。
3つ目のメッセージは、「国際決議とアラブ連盟決議を履行することで、安定し、安全が確保された強いレバノンを見ること」が地域の望みであると強調した。
アル・サバーハ外務大臣は、レバノンが「私から政府高官へ伝えた事柄を見直し、じきに回答を得られるだろう。」と述べた。
アラブ湾岸諸国とレバノンとのつながりは、レバノンのジョージ・クルダヒ元情報大臣によるイエメンでの紛争を批判したコメントの後、10月に新たな危機へ陥った。
クウェートはレバノン大使を追放し、ベイルートに駐在させていた特命大使を呼び戻すことでクルダヒ氏の意見に対応した。サウジアラビアを含め、湾岸協力会議の加盟国数国が問題へ同様に対処した。
アウン大統領は23日、レバノンはアラビア湾岸諸国との「最良の関係」維持を強く望んでおり、クウェートからの提案は適切な立場が発表される前に協議されるだろうとツイートした。
一部の人々は、アル・サバーハ外務大臣による訪問を、サアド・ハリーリ元首相のレバノンへの復帰と紐付けた。だがクウェートの外務大臣は、そのようなつながりを否定した。
外務大臣は強調した:「今回の訪問はレバノンの内政と全く無関係であり、我々がレバノンの国内事情へ干渉することはありません。」
ハリーリ元首相は、次回の議会選挙へ出馬するか否かの最終決断を24日に発表する。
彼の報道室は、24日の午後4時に元首相が自宅からの演説を予定していると述べた。
何百人ものハリーリ支持者が2日連続で首都にある彼の自宅外に集まり、選挙への彼の出馬を要求している。
ハリーリ元首相は支持者に対し呼びかけた:「皆さんの声を今日、受け止めました。明日は私の声に耳を傾けていただきたい。」
「私の血はあなたのものであり、この家のドアはいつでも皆さん全員に開かれていると保証します。」
ハリーリ元首相は記者へ語った:「前進するために、後戻りしなければならないこともあります。」
支持者らは、元首相を支援するスローガンを唱えながら未来運動政党の旗と一緒にハリーリ氏の写真を掲げた。
彼らの呼びかけは、選挙出馬を控えるという決断を取り消し、支持者を見捨てないようハリーリ氏に求めるものだ。
「ハリーリ氏と未来運動は、国の中心的な政治的象徴の1つです。彼らから見捨てられるのを、受け入れることはできません。」と、支持者の1人は語った。
ハリーリ氏の決断は、選挙過程とレバノン政治全体へ大きな波紋を及ぼすことが予測されている。
マロン派のビシャーラ・ブトロス・アル・ライ総主教は日曜の説教で、レバノンの中立性の需要さを繰り返した。
「ですが残念ながら、この概念は政府高官やレバノンのスピーチにおいて完全に欠如しています。よって地域軸にとっては、レバノンは人質に取られたままです。」アル・ライ総主教は付け加えた。
23日に開催されたレバノン内務大臣との共同記者会見で、アル・サバーハ外務大臣は述べた:「レバノンからの麻薬密輸問題を協議し、レバノン側の取り組みに感謝しています。」
そして次のように補足した:「密輸貨物がクウェートとその他の地域へ届かないことを保証する仕組みの構築を求め、レバノン当局は信頼回復のためにこれに取り組んで欲しいと要望しました。」
「一般的に望まれていることは、レバノンの国境と販路全てへの国家による統制、そしてレバノンがより安全で安定した国になることです。」
レバノンのマラウヴィ内務大臣は述べた:「クウェートのどのような暴言も認めないというレバノンおよび内務省の立場を繰り返します。国境警備と麻薬密輸に関する全ての問題について我々は協議しました。」
政府関係者はアラブニュースへ述べた:「アル・サバーハ外務大臣が伝達したメッセージは、フランス、サウジアラビア、そしてクウェート間で結ばれた合意の結果でした。そしてミカティ政権の閣僚声明に含まれた原則と一致しています。」
関係者は付け加えた:「レバノンはこれらのメッセージを協議し、外相がクウェートを訪問中に自国の回答を届けるでしょう。」
政府関係者は、ヒズボラがアラビア湾岸諸国を繰り返し侮辱していることから、上記の原則を無視している可能性にも意見を述べた。
彼らは、レバノン政府の立場が「全レバノンを代表するものであり、唯一の重要事」と語った。
政府の立場は、レバノンの中立性を強調し、アラブおよびアラビア湾岸諸国との友好関係を強く求める閣僚声明に基づいている、と政府関係者は補足した。