
サイード・アル・バタティ
アル・ムカッラー:国際社会から承認されているイエメン政府は1月31日、フーシ派による直近のアラブ首長国連邦(UAE)へのミサイル攻撃を強く非難し、フーシ派の脅威から自国を防衛するUAE政府に対する支持を表明した。
イエメン外務省が声明を出し、イランの支援を受けるフーシ派が外国の陰謀を実行する手先となり中東の安全保障に脅威を与えていると述べた。さらに国際社会に対しフーシ派をテロ組織に認定するなどして「好戦的」活動を改めさせるよう求めた。
「武装組織フーシ派がテロ行為を起こした原因は、外国政府に操られているからであり、中東に混乱と不安定を拡散している。このため国際社会、特に国連安保理は毅然とした態度を取りフーシ派をテロ組織認定する必要がある」とイエメン外務省は声明で述べた。
フーシ派は31日、アブダビ上空で迎撃された弾道ミサイルを発射したとの犯行声明を出した。UAEがイエメンから撤退しない場合、さらなるミサイルやドローン(無人機)攻撃を実施すると明言した。
「イエメンに正統統治を回復させるアラブ連合軍」の一員であるUAEは、フーシ派の攻撃に素早く反応し、アブダビを攻撃されてからおよそ30分後にはイエメン北部ジャウフ県にある弾道ミサイル発射台を破壊した。さらにフーシ派が占領中の首都サナアにある軍事拠点に対し幾度も空爆を実施した。
31日午前に、連合軍戦闘機による空爆が実施された後、サナア市内では大きな爆発音が鳴り響いた。サナア北部の整備基地と予備役用基地も攻撃対象となった。
連合軍は、フーシ派が空港を含むサナア市内の軍事・民間施設に、弾道ミサイルや爆弾を積んだドローンを格納していると非難している。
イエメン国内の軍高官や軍事評論家たちの間では、フーシ派が連合軍の主要国を仲たがいさせ、UAEに中部マアリブ県で「巨人旅団」(Giants Brigades)による軍事作戦を終結させようと狙っているとの見方が強い。
「UAEへのミサイル攻撃は、フーシ派がシャブワ・マアリブ両県で被った大打撃について神経質になっている証拠です。主にUAEが支援する巨人旅団の介入後は特に、フーシ派が劣勢に立たされています」とニュースウェブサイト「マアリブ・プレス」のムハンマド・アル・サレヒ編集長がアラブニュースに語った。
今年始めに巨人旅団がマアリブ、シャブワ、アル・バイダー各県でフーシ派に対し攻撃を開始して以降、フーシ派は戦闘で敗北が続いている。
政府軍部隊は10日以内に石油資源の豊富な南部シャブワ県を解放し、数百名のフーシ派戦闘員を死傷させた後、マアリブ、アル・バイダー両県のフーシ派支配地域に対する攻勢を強めている。
巨人旅団は近隣のハレブ地区を完全掌握した後、現在ではマアリブ県南部アベディア地区でフーシ派と戦闘状態にある。
イエメン政府当局者によると、連合軍が最近イエメン西部沿岸からマアリブ県に巨人旅団を配置転換して以来、現地部隊はフーシ派支配地域を奪還し、戦略的に重要なマアリブ市を掌握するとのフーシ派の目論見を阻止するのに成功しているという。
アル・サレヒ編集長は、サウジアラビアもUAEもフーシ派攻撃に対してひるむことはないと述べた。UAEにまで到達する届く高性能兵器を所有して以来、フーシ派は中東や国際的安全保障に対する大きな脅威となってしまったからだ。
「フーシ派はもはや、2015年に国家の武器を略奪した一介の武装組織とは見なされていません。フーシ派が手にした数千キロを飛行する武器により、中東に危機が到来しており、毅然とした対応が欠かせません」
「フーシ派の翼をもぎ取り軍事制圧しないまま武器を持たせて放置すると、イエメンはテロの震源地となり、中東や近隣諸国へ混乱を輸出する拠点となってしまうでしょう」