
ナジャ・ホウサリ
ベイルート: バチカンの特使は火曜日、ベイルートを訪問し、レバノンの政治家を批判して、「権力者たちは自分たちの利益のためではなく、平和のために働く決断をしなければならず、レバノンと中東を外国の利益のために利用するのをやめなければならない」と述べた。
バチカン外務長官であるポール・ギャラガー大司教は、レバノンのミシェル・アウン大統領に、「キリスト教の存在感が低下すれば、レバノン国内のバランスが崩れ、アイデンティティが破壊されるだろう」というフランシスコ教皇のメッセージを伝えた。
彼は、レバノンの状況について教皇が懸念していること強調し、アウン大統領とナビーフ・ビッリー国会議長に、「改革は、国際社会からの支援とともに、レバノンが自身のアイデンティティを維持するのに役立つと確信している」と伝えた。
訪問初日、大司教はジョセフ・アウン軍司令官やセント・ジョセフ大学の学者らと面会した。また、ベイルート港の爆発の犠牲者のために祈りをささげた。
ギャラガー氏は水曜日に、マロン教総主教ベチャラ・ブトロス・アル・ラヒ氏と面談し、「教皇ヨハネ・パウロ二世とレバノン、ザ・メッセージ」と題した会議を発足した後、木曜日にナジーブ・ミカティ首相やイスラム教徒コミュニティの代表たちと面談する予定である。
大統領の報道担当官によると、大司教はアウン大統領に、教皇がレバノンの動向を注意深く見守っていると伝えたという。教皇の言葉を引用してギャラガー氏は「レバノンは、中東全体が未来へのメッセージとして期待しており、ここからレバノンの国家アイデンティティを守る必要性が生じ、状況が前向きに発展しない場合には、地域に反映されることになるため、例外的な注目に値します」と述べた。
大司教は、「強力で統一されたレバノンは、すべての人に共通の善をもたらすことにより、キリスト教徒とイスラム教徒を含む中東全体の模範を示すことができ、将来においても、再びこの役割を果たすことを願っています」と強調した。
「レバノンがメッセージだと言うのは簡単です。しかし、このメッセージを具体的な現実とするために、私たちは協力しなければなりません。」
アウン氏はバチカンに対し支援を継続することを求め、「レバノンは、現代史において前例のない、重大な課題に直面しており、世界の他のレバノンの友たちへの支援とともに、この支援を通じて、地域の危機と紛争の負の影響を克服することを望んでいます」と述べた。
大司教はレバノンの人々に 「教皇が深い経済的、社会的、政治的危機にあるレバノンについて懸念している」と伝えた。
彼は、バチカンの立場として、「レバノンが異なる宗教の平和的な共存と兄弟愛の例として、独自のアイデンティティを維持するためには、国際社会の支援とともに、改革が必要だ」と述べた。
ギャラガー氏は「国際社会にレバノンへの支援と援助を継続するよう」強く求めた。
「少数の者が多くの者の苦しみから利益を得ることに終止符を打ちましょう。ごまかしによって、人々が希望を失うのをこれ以上放置してはなりません。外部の干渉を受けることなく、レバノンで子供たちがより良い未来を手にする機会が得られるようにならなくてはなりません」と付け加えた。
大司教は、レバノンの不確かな未来に対するバチカンの懸念を表明した。「我々は、レバノンを、異なる宗教間での共存、兄弟愛、希望のメッセージとして守ることを、地域と世界のすべての人、すべての指導者に呼びかけます」と付け加えた。
大司教は、バチカンが仲介役となりうるかとの問いには、次のように答えた。「外交活動とは、国際的に認められた団体の代表者同士の対話です。どのような対話であれ、その結果を予測することはできませんが、政治指導者や市民社会には働きかけを行います。政治家同士の仲介役については、聖座への招待があれば、この役割を果たすことができます。」
また、フランシスコ法王は近々レバノン訪問を望んでいると付け加えた。
アウン氏との会談後の声明で、大司教は 「恐ろしいベイルート港の爆発の犠牲者とレバノンの全国民に正義をもたらすこと」が必要だと表明した。
爆発事故の調査を指揮したタレク・ビタール判事が12月23日に解任されて、40日が経過した。
犠牲者の家族の代表団は火曜に、2020年8月4日に発生した爆発事故の捜査の障害について、弁護士会が何の見解も示さない理由を問うため、弁護士会のナデル・カスバル会長と会談した。
ヒズボラは、真実を究明しようと当局に圧力をかけている犠牲者の家族を分断することに成功した。
自由愛国運動のジブラン・バシール代表は、以前はビタール氏を擁護していたのに、ヒズボラと共にビタール氏の仕事を批判し、調査は現在停止している。