
ガザ地区ベイト・ラヒア:パレスチナの部隊が、白昼にトンネルをくぐり抜けてイスラエル軍の戦車を攻撃。銃声と爆発音がガザ地区の前線に響き渡る。
と言っても、新たな戦争が始まったわけではない。ガザ地区を支配する武装勢力ハマスが制作したテレビ番組のアクションの場面だ。
「Fist of the Free」(自由の拳)と名付けられた30分間の番組では、装備で上回るイスラエル軍を出し抜く、気骨ある英雄として兵士が描かれている。イスラエルでは同じような題材を扱った「ファウダ」という人気ドラマがあったが、それとは違い、ネットフリックスが配信することはなさそうだ。
同番組はハマスのメディア部門が制作した最新作。ハマスが2007年にガザを実効支配して以来、イスラエルは同地区を封鎖し、深刻な影響が生じている。しかし、番組制作には大きな予算が充てられている。
一連の番組はハマスの運営するテレビ局で放送されており、「Fist of the Free」は来たるラマダン月に放送予定。この時期は、夜明けから日暮れまでの断食が明けるとともに視聴率が上がるため、イスラム世界の放送局は大作を放送する傾向がある。
AP