
・(反体制派の)戦闘員が占拠するマアッラト・アン=ヌウマーンの町近辺での戦闘でシリア政権支持者23人も死亡
・突発的な衝突により近隣地域で大勢の人々が相次いで家を追われた
ベイルート:国連(UN)による「緊張の段階的縮小」の呼び掛けにもかかわらず、反体制派の国内最後の主要な砦でのシリア政府軍と武装勢力の衝突により、この24時間に双方で60人以上が殺されたと戦争監視団は20日に述べた。
19日の夜からイドリブ県北西部での政府軍との闘いで、38人のイスラム聖戦戦闘員と同盟反乱軍兵士が殺されたと、英国を拠点にするシリア人権監視団は述べた。
戦闘員が占拠するマアッラト・アン=ヌウマーンの町の近くでの戦闘でも、23人のシリア政権支持者が殺されたと監視団は述べた。
一方、戦争監視団によると、ロシアの戦闘機はマアッラト・アン=ヌウマーンや近くの町、サラキブを連続的な空爆で猛撃した。
突発的な衝突により近隣地域から大勢の人々が相次いで家を追われたとAFP通信の通信員は述べだ。
ヤセル・イブラヒム・アル・ダンダルさんはイドリブ県北部のオリーブの木立に家族と一緒に逃げ、野外で寝ることになるだろうと語った。
「何百発ものロケット弾がマアッラト・アン=ヌウマーンを攻撃しました」と彼はAFPに述べた。「状況はとてもひどいです。」
シリア内戦から逃れてきた多くの人々を含む約300万人が身を寄せているイドリブの地域は、シリアの元アルカイダ系集団が支配している。
ダマスカス政権はイドリブの支配権を取り戻すと繰り返し言明してきた。
政府側の軍隊は4月にこの地域に猛烈な攻撃を開始し、約1,000人の民間人が殺され、40萬人以上が家を追われた。
モスクワは8月下旬に停戦を発表したが、壊滅的な砲撃や小競り合いが繰り返されていると監視団は述べる。
国連は監視団が17日に政権側の空爆や砲撃で23人の民間人が殺されたと伝えた後、この地域で破壊的行為が急増していると非難した。
国連シリア特使の人道支援顧問であるナジャト・ロクディ氏は「即時の段階的縮小」を呼び掛けた。
シリア内戦は、反政府抗議活動への残虐な抑圧により2011年に始まり、37万人以上が死亡し、何百万もの人々が家を追われた。
AFP