
リーン・フアード
ロンドン:グローバル・ソフトパワー・サミットが火曜日、ロンドンで開催された。サミットで発表された「ブランドファイナンス・グローバル・ソフトパワー・インデックス2022」では、UAEとサウジアラビアがアラブの主要国として浮上した。
このフォーラムでは、ソフトパワーの専門家や研究者が集まり、国家をブランドとして認識することに関する世界で最も包括的な調査である「グローバル・ソフトパワー・インデックス」を発表した。
アラブ13カ国を含んだ今年の世界ランキングでは、UAEが15位となり、中東・北アフリカ地域の国家ブランドとしては最高位となった。
サウジアラビアはアラブ諸国中2位で、世界ランキングは昨年と同じく24位となったが、指数スコアは100点満点中47.1点と大幅に改善された。
全体では、米国は2020年後半から2021年にかけて大きく悪化した国民感情を回復し、1位に返り咲いた。英国も新型コロナウイルスとブレグジット議論の影響を乗り越えて2位に浮上した。
ブランドファイナンス・ミドルイーストのマネージング・ディレクターであるアンドリュー・キャンベル氏によると、この新しいランキングは、サウジアラビアのブランドが成長し、中東全域をリードしていることを示しているとのことだ。
「サウジアラビアの主要なブランドは、それぞれの分野でビジョン2030に向けて取り組み、目覚ましい成長を記録している」と、彼はアラブニュースに語った。
「『マーデン(Ma’aden)』は地域全体で最も急成長しているブランドであり、他にもさまざまな業界のサウジアラビアブランドがその名を轟かせている。その中には、今年中東で最も急成長した航空会社ブランドである『サウディア』も含まれる」
実際、サウジアラビアは、社会・経済改革アジェンダ「ビジョン2030」において、ソフトパワーと国家ブランディングを重要な優先事項として掲げている。
王国は、アラブ・イスラム・国際エネルギーの中心地とされ、豊かな歴史と文化に育まれてきた。このような特性を生かし、サウジアラビアは長年にわたり外交戦略の一環としてソフトパワーを活用してきた。
一方、UAEでは、「2020年ドバイ国際博覧会」のような展示会を通じて、世界のソフトパワーとしての役割を強化している。また、これらのイベントを、イノベーションとインスピレーションを通じて国家間をつなぎ、橋を架けるツールとして活用してきた。
グローバル・ソフトパワー・サミットで、UAE先端科学担当相兼UAE宇宙機関長官のサラ・ビン・ユシフ・アル・アミリ氏は、変化を受け入れることで自国がこの指標に名を連ねることができたと述べた。
「UAEが中東・北アフリカ地域でソフトパワーの観点から最も強いのは偶然ではない。完全な献身と進化、そして変化を受け入れ、イノベーションを受け入れる姿勢によるものである」
UAEはまた、「何が正しくて何が間違っているか、どのような統治形態が正しくて間違っているかを指示することではなく、導くことの重要性」を認識していると彼女は語った。
「指示する代わりに、UAEはどのように機会を創出し、どのように変化を起こし、どのように自国の成長を構築するかを示すことでリードするのである」
指数のスコアは、7つの分野にわたるさまざまな指標によって決定された。ビジネスと貿易、ガバナンス、国際関係、文化と遺産、メディアとコミュニケーション、教育と科学、そして人々と価値観である。
ブランド・ファイナンス・インデックスは、新型コロナウイルスの課題に各国がどのように対応したかを測定する特別な指標も追加した。
ソフトパワーとは、1990年に米国の政治学者ジョセフ・ナイ氏が作った造語で、軍事力や経済力ではなく、魅力によって好ましい結果を得る能力として定義されている。
ナイ氏は、国家が他者の支持を得るための外交政策として、代替手段があると主張した。軍事的・経済的手段に依存する従来のハードパワーの代わりに、価値観や規範の共有を通じて達成されるソフトパワーを活用することで、国家を強制するのではなく、国家に訴えかけることができるのである。
ブリティッシュ・カウンシルのスコット・マクドナルドCEOは、ロンドンサミットの開会の辞で、「ソフトパワーは、将来的にハードパワーの必要性を減らし、最終的にはより平和と繁栄につながるはずだ」と述べた。
「グローバル・ソフトパワー・インデックス2022」では、UAEはビジネスと貿易の柱で最も良い結果を出し、世界のトップ10にランクされた。また、「ビジネスがしやすい」という点では4位、「経済が強く安定している」という点では8位にランクインしている。
その他にもさまざまな指標で高い評価を得ているが、UAEは今年、教育と科学の分野で最も急速な改善を遂げた。UAEがハイテク産業に注力していることや、エミレーツ・マーズ・ミッションで宇宙開発に乗り出したことが、この分野でのスコアに影響していると思われる。
アル・アミリ氏はアラブニュースに対し、「私たちにとってイノベーションは選択肢のひとつではない」と述べている。「イノベーションは、発展のための必須メカニズムそのものである。実際、50年前には私たちは基礎教育や基礎インフラを利用することができず、現在のような現代的な生活様式もなかったのだ」
この間、UAEは、「『インフラが存在しなかったので、インフラを構築することだけに注力してきた国』から、才能と科学技術の活用に基づく、私が無形インフラと呼ぶものを構築している国へと移行した。そして、経済成長および持続的経済成長のエンジンとして、研究開発を活用している」とも述べている。
UAEも新型コロナウイルスの流行から、以前より強く立ち直りつつある。貿易と投資の実績は「2020年ドバイ国際博覧会」の成功で強調されている。
しかし、変化と革新を受け入れたからといって、UAEがその真の姿を見失ったわけではない。むしろ、経済の多様化とともに、そのアイデンティティを発展させてきたのである。
「文化や価値観を振り返り、何が有効で、何が今後進化・発展していく必要があるのかを理解することは問題ではない」とアル・アミリ氏は言う。
「私たちは、人々の間の違いを理解し、評価することを目的としている。法規制はあるが、決して変わらないものではない」
UAEとサウジアラビア以外に、11のアラブ諸国が今年のグローバル・ソフトパワー・インデックスに含まれている。
アラブ諸国の中では、カタール、エジプト、クウェート、モロッコがそれぞれ3位、4位、5位、6位にランクインし、オマーン、ヨルダン、バーレーン、アルジェリア、チュニジア、レバノン、イラクが7~13位と続いた。