
パリ:人権団体アムネスティ・インターナショナルは火曜日、イランが囚人に対する救命医療を意図的に拒否していると非難した。同団体は、拘束者が治療を受けていないために死亡した、2010年以降の96件の事例を確認したと発表した。
今年だけでも、イランが病気に対して適切な治療を行わなかったために囚人が獄中で死亡した、複数の重大な事例が存在する。これらの問題を受け、アムネスティの報告書は発表された。
この中には、イランの詩人で映画監督のバクターシュ・アブティン氏が新型コロナウイルスに感染して1月に死亡した事例や、オーストラリアとイランの二重国籍を持つ82歳のショクロラ・ジェベリ氏が、複数の病状悪化の末、3月に死亡した事例も含まれている。
アムネスティは、このような意図的な医療拒否による死は超法規的処刑に相当し、イランが説明責任を果たさないことは、同国における組織的不処罰のひとつの例であると述べている。
「イラン当局の人命軽視の姿勢は、イランの刑務所を事実上、病気の囚人が死を待つための部屋と化している。それが治療可能な状態であっても、悲劇的な結末しか与えられない」と、アムネスティ中東・北アフリカ地域担当副所長、ダイアナ・エルタウィ氏は言う。
「医療を意図的に拒否されたことによる拘留中の死亡は、恣意的な生命の剥奪に相当する。これは国際法に基づく重大な人権侵害である」と彼女は続けた。
アムネスティは、2010年1月以降、イラン全土の18州にある30の刑務所で、男性92人と女性4人がこのような状況で拘束中に死亡したことを確認した。しかし、これらの事例は「網羅的ではなく、例示的」であり、実際の件数はさらに多いと思われる、と団体は述べている。
刑務所当局は、囚人が適切な医療を受けることを頻繁に拒否していることを、同団体は記録しているという。これには、診断テスト、定期検診、術後ケアなどが含まれる。
「これは健康問題の悪化につながり、病気の囚人にさらなる痛みと苦しみを与え、最終的には彼らの早すぎる死を引き起こすか、その一因となる」
記録によると、96人の囚人のうち64人が病院ではなく、刑務所で死亡している。ほとんどの場合、死亡した囚人は若いか中年であったという。
イラン北西部には少数民族のクルド人、アゼルバイジャン人の受刑者が多く、イラン南東部には少数民族のバローチ人受刑者が多く収容されている。
アムネスティによれば、国家安全保障に関する罪で有罪判決を受け、活動家から政治犯と見られていたアブティン氏(47)は、テヘランのエビン刑務所で最初に新型コロナウイルス感染症の症状を示してから約6週間後に死亡した。
「当局は、彼が2022年12月初旬に新型コロナウイルスに感染した後、同ウイルスの症例に対応できる設備の整った施設において、適切な機会に専門医療を受けることを意図的に拒否した。それが、彼の死の原因あるいは一因となった」と、アムネスティは述べている。
ジェベリ氏については、腎臓結石、脳卒中の後遺症、足の坐骨神経痛、高血圧、臍ヘルニアなどの症状に対して「適切な専門医療への受診拒否による、2年以上の拷問やその他の虐待」を受けた後、死亡したという。
アムネスティによると、金銭問題で収監されていたジェベリ氏は、膀胱と腸の動きを完全に制御できなくなっていた。他の囚人が動かない同氏を発見、移送先の病院で死亡したという。
AFP