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パレスチナ人、地域の食料・穀物備蓄計画に慎重な姿勢

世界食糧計画によると、ウクライナ危機により、パレスチナ自治区では穀物やその他の食料品の価格が上昇している。(AFP/資料写真)
世界食糧計画によると、ウクライナ危機により、パレスチナ自治区では穀物やその他の食料品の価格が上昇している。(AFP/資料写真)
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13 Apr 2022 04:04:57 GMT9
13 Apr 2022 04:04:57 GMT9
  • ヨルダンとイスラエルが、ウクライナでの戦争による主食の価格高騰に対応するため、この構想について議論していると伝えられている
  • しかし専門家によると、パレスチナには十分な貯蔵施設がないため、輸入はイスラエルを経由して行われ、それはつまりイスラエルの輸入業者が価格を決めることになるとのこと

モハメド・ナジブ

ラマッラー:イスラエルメディアの報道によると、ヨルダンとイスラエルの当局は、ウクライナでの戦争を背景に、食料と小麦の備蓄のための共同地域備蓄の設置を検討しているとのこと

KAN TVチャンネルは、ヨルダンのアブドッラー国王が3月下旬にアンマンで行ったイスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領との会談の際、このプロジェクトを提案したと報じた。まだ初期の計画段階だが、イスラエル、ヨルダン、エジプト、パレスチナ自治区が参加する可能性があり、食糧不足に悩む国は備蓄から引き出せるようになる、と同チャンネルは付け加えた。

しかし、パレスチナ自治区には小麦粉の貯蔵に必要となる適切なインフラがないため、このような取り決めによる恩恵はほとんどないだろうと警告する声もある。

慈善団体オックスファムによれば、イスラエルの占領地における小麦粉の備蓄は3週間以内に枯渇する可能性があり、ウクライナでの戦争の結果、主食である小麦の価格は約25%高騰しているという。

「パレスチナの家計は世界的な食料価格の上昇によって大きな打撃を受けており、多くの人々が基本的なニーズを満たすのに苦労しています」と、オックスファムのパレスチナ占領地とイスラエルの国別担当者であるシェーン・スティーブンソン氏が述べた。

「イスラエルの継続的な軍事占領、入植者の暴力、土地の強奪による制約と輸入品への依存が、食糧危機をさらに悪化させています」

パレスチナ自治政府は小麦の95%を輸入に頼っているが、食料貯蔵のインフラを備えていないため、代わりにパレスチナの民間セクターとイスラエルの施設に頼らざるを得ない。一方、イスラエルは穀物や雑穀の半分をウクライナから輸入している。

国連世界食糧計画によると、ウクライナ危機の影響で、パレスチナ自治区では穀物などの価格が上昇しているとのこと。小麦粉は23.6%、コーン油は26.3%、レンズ豆は17.6%、食塩は30%値上がりし、いずれもパレスチナ人の購買力に大きな影響を及ぼしているとされる。

同組織によると、ガザのほとんどの家庭では、食料をつけで購入し、品質の悪い食料を少量ずつ食べているという。物価の上昇に伴い、彼らは健康的な食生活に欠かせない果物、肉、鶏肉といった高価な食品の購入を控えているのだ。

 

一方、飼料価格が約60%上昇したことで、パレスチナの畜産農家は、家畜に影響を及ぼす病気、パレスチナ人の牧草地に対する入植者による襲撃の増加、ヨルダン川西岸におけるイスラエルの併合・拡大政策による強制移住など、すでに他の問題に直面しており、さらに負担が増している。飼育農家はパレスチナ自治区に対し、価格上昇を補うために飼料の付加価値税を廃止するよう訴えている。

アラブ食品産業連盟の地域担当者であるマゼン・シノクロット氏は、パレスチナは危機の際にイスラエルの食糧備蓄に頼ることはできないと述べた。

パレスチナの元財務副大臣サミール・フリレ氏は、アラブニュースにこう語った。「輸入は大量に行われるので、パレスチナ自治区はウクライナから直接小麦を輸入していません。そのため、イスラエル経由で輸入することになりますが、それにより価格が高くなったり、イスラエルの大手輸入業者が価格をコントロールできるようになったりするのです」

「また、パレスチナには港や、穀物に適した貯蔵倉庫がないため、イスラエルとの国境付近に小麦やあらゆる穀物を貯蔵する倉庫の設立が提案されましたが、このプロジェクトは今のところ実現していません」

さらに同氏は言う。「パレスチナ人が入手できる小麦や小麦粉は、パレスチナの商人の店にあるものなので、オックスファムの報告書に記載されていることは正しいです。イスラエルに穀物の備蓄がある限り、イスラエルから輸入し、それに依存しているパレスチナ人が苦しむことはない。しかし、イスラエルが小麦や穀物の輸入に際して問題に直面すれば、必然的にパレスチナは苦しむことになるでしょう」

フリレ氏は、ヨルダン・イスラエルの地域備蓄案に対し、パレスチナ自治政府を独立した存在ではなく、イスラエルの従属的存在として捉えているとして懸念を示した。同氏は、パレスチナ自治政府のニーズがイスラエルの要求と異なることがあるため、備蓄案は二国間の協定ではなく、三国間協定にすべきだと述べた。

「我々はいかなる合意にも独立した存在でなければならず、従属する存在であってはならない」とフリレ氏はアラブニュースに語った。

同氏は、パレスチナ農業省に対し、ヨルダン川西岸地区の土地の約60%を占めるエリアCでパレスチナ人の農業従事者が穀物を栽培し、少なくともパレスチナ人の需要の一部を適正な価格で満たせるように奨励するよう要請した。また、同省がその農業従事者から適切な価格で作物を買い取ることも提案した。

「イスラエルが小麦や穀物の輸入に際して危機に直面した途端に、間違いなくパレスチナ自治区は危機に直面するでしょう」とフリレ氏は警告した。

オックスファムは、国際社会に対し、イスラエルの制限的な政策に異議を唱え、パレスチナ人が地元の食料生産とインフラ開発に貢献できるような、経済と外交の共同・協調姿勢を早急にとるよう呼びかけている。

パレスチナ・ファーマーズ・ユニオンの代表であるアッバース・メルヘム氏は、畜産部門が壊滅状態で、完全に崩壊する前に支援が必要だと述べた。同団体は、パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相に対し、当該部門を救済する行動を早急にとるよう要請している。

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