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北朝鮮が米国の制裁に反発、新たにミサイルを発射

韓国政府の発表によると、北朝鮮は金曜日、今月3回目となる短距離弾道ミサイル2発のミサイル発射を行った。これは、発射試験を続けていることに対してバイデン政権が課した新たな制裁への反発と見られる。(ファイル・写真/AP)
韓国政府の発表によると、北朝鮮は金曜日、今月3回目となる短距離弾道ミサイル2発のミサイル発射を行った。これは、発射試験を続けていることに対してバイデン政権が課した新たな制裁への反発と見られる。(ファイル・写真/AP)
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15 Jan 2022 04:01:26 GMT9
15 Jan 2022 04:01:26 GMT9

韓国政府の発表によると、北朝鮮は金曜日、今月3回目となる、短距離弾道ミサイルと見られる2発のミサイル発射を行った。これは、発射試験を続けていることに対してバイデン政権が課した新たな制裁への反発と見られる。

韓国の合同参謀本部によると、ミサイルは平安北道の内陸部から11分間隔で発射されたという。平安北道は、北朝鮮が重要なミサイル基地を運用していることで知られており、近年頻繁に試験発射を行っている場所である。

発射されたミサイルは、同国上空430kmの距離を最高高度36kmにて横断飛行した後、海に着水したと韓国軍部は報告している。

日本の海上保安庁は、落下物に注意するよう船舶に呼びかけたが、松野博一内閣官房長官は、船舶や航空機への被害の報告はなかったと述べた。

数時間前、北朝鮮は声明を発表し、バイデン政権が過去のミサイル発射実験に対して新たな制裁を科したことを非難し、ワシントンが「対立的な姿勢」を維持するならば、より強力で明確な行動をとると警告した。

米財務省の制裁は、今週のミサイル発射実験を受けて、北朝鮮のミサイル計画に必要な設備や技術の入手に関与した5人の北朝鮮人を対象としている。また、国務省は、北朝鮮の大量破壊兵器に関する活動を幅広く支援しているとして、他の北朝鮮人1名、ロシア人1名、ロシア企業1社に対する制裁を命じていた。

さらにバイデン政権は国連による制裁措置を求めることを発表しており、米国国連代表部の高官は金曜日、北朝鮮の兵器開発に関連する5人の個人を対象とした制裁措置を求め、同盟国と協力して追加の制裁対象指定を検討していると述べた。

公言する権限を持たない同政府関係筋の情報によると、朝鮮半島の非核化の方法と米国の人道支援の可能性について前提条件なしに話し合おう、という数カ月前の米国の申し出に対し、北朝鮮からは何の反応もないとのことだ。平壌からの唯一の回答は、「非常に不安定で危険な、そして最も重要なことに、多くの国連安全保障理事会決議に反する」ミサイル実験の再開であると、同氏は述べた。

1週間で2回目となる火曜日の極超音速ミサイルの発射実験は、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の指示によるもので、総書記はこれにより自国の「戦争抑止力」が大幅に強化されると述べている。

北朝鮮は、この地域のミサイル防衛を圧倒するために、核搭載可能な新型ミサイルの実験を活発化させている。専門家の中からは、金正恩氏が、ミサイルの発射と無謀な脅しで世界を圧迫してから、譲歩を引き出す交渉を行うという試行錯誤の手法に戻っていると言う意見も出ている。

2017年に核実験と長距離ミサイル実験を執拗なまでに挑発的に行い、アメリカ本土を標的とした兵器を追求する姿勢を示した金正恩氏は、2018年にドナルド・トランプ前大統領と外交を開始し、核を利用して経済的利益を得ようとした。

しかし、2019年に金氏がトランプ氏と2回目の首脳会談を行った後、北の核能力の一部放棄と引き換えに大幅な制裁緩和を求める金氏の要求をアメリカ側が拒否したため、交渉は頓挫した。

金正恩総書記は、パンデミックの際に国境を封鎖したことで経済的に大きな打撃を受け、米国主導の制裁も続いているにもかかわらず、生き延びるための最強の保証として、核兵器のさらなる拡大を誓っている。

北朝鮮政府はこれまで、バイデン政権からの無条件の会談再開提案を拒否しており、平壌が主に制裁や米韓合同軍事演習を指す言葉として使っている「敵対政策」をワシントン側がまず放棄しなければならないと述べている。

韓国の大統領府によると、同国のソ・フン国家安全保障室長をはじめとする高官たちは、緊急の国家安全保障会議を招集し、発射が続いていることに「強い遺憾の意」を表明し、平壌に対話を再開するよう求めたという。

ソウルにある梨花女子大学のレイフ=エリック・イーズリー教授は、「北朝鮮は無視されないよう、圧力には圧力で対応することを示しているようです」と述べている。

「北朝鮮はバイデン政権に罠を仕掛けようとしている」とイーズリー氏は言う。「とにかく実験したいミサイルを用意し、米国の圧力にはさらなる挑発で応え、譲歩を求めようとしているのです」

ソウルの北朝鮮研究大学のキム・ドンユブ教授は、発射のタイミングと、複数のミサイルが検出されたことから、北朝鮮はワシントンにアピールするために、開発中の他のミサイルではなく、すでに稼働している兵器を披露したのではないかと述べている。

同教授は、ロシアのイスカンダル移動式弾道ミサイルシステムをモデルにしたと思われる固体燃料ミサイルや、米国のMGM-140陸軍戦術ミサイルシステムに似た短距離兵器を実験したのではないかと述べている。

北朝鮮が2019年から実験しているこの2つのミサイルは機動性が高く、低高度で飛行するように設計されており、ミサイル防衛システムを回避したり、無効化したりする可能性を高めている。

北朝鮮の公式機関である朝鮮中央通信が伝えた声明の中で、正体不明の外務省報道官は金曜日、北のこれまでの発射は自衛のための正しい行使であると擁護した。

同報道官は、今回の制裁措置は、北朝鮮を「孤立させ、息の根を止める」ことを目的とした米国の敵対的な意図を示すものだと述べた。同氏は、北の極超音速ミサイル開発は軍備近代化の一環であり、特定の国を標的にしたり、近隣諸国の安全を脅かしたりするものではないとし、米国が「ギャングスター的」な姿勢を維持していると非難している。

極超音速兵器は、音速の5倍に相当するマッハ5を超える速度で飛行する兵器で、その速度と機動性からミサイル防衛にとって重要な脅威となりえる。

このような兵器は、多弾頭ミサイル、スパイ衛星、固体燃料長距離ミサイル、核弾頭を搭載した潜水艦発射弾道ミサイルとともに、金正恩氏が昨年初めに発表した高度な軍事資産のウィッシュリストに含まれている。

しかし、専門家によれば、北朝鮮が信頼できる極超音速システムを手に入れるには、何年もかけてさらに長距離の実験を成功させる必要があるという。

米国のアントニー・ブリンケン国務長官は、MSNBCとのインタビューの中で、北朝鮮の最新の実験を「重度に不安定なもの」と呼び、米国は国連や、同盟国である韓国や日本を含む主要なパートナーとの間で、対応策を深く検討していると述べた。

「北朝鮮が注目を集めようとしている、という部分はあると思います。北朝鮮はこれまでもそうしてきたし、これからもそうするでしょう」とブリンケン氏は述べている。「しかし、我々は同盟国やパートナーと共に、彼らや我々の安全が適切に保証され、北朝鮮のこのような行動に対しては、然るべき反応と結果があることを示すことに全力で取り組んでいます」と述べた。

AP

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