ナジャ・フーサリ
ベイルート:サウジアラビアは大使のベイルートへの帰任後、レバノン国民への支援と両国間の関係強化への意欲を表明した。
ワリード・ブハリ駐レバノン大使は2日、レバノンのミシェル・アウン大統領に対し、「サウジアラビアは困難な状況にあるレバノン国民を支援し、両国の関係を強化することに前向きである 」と述べた。
大統領のメディアオフィスによると、2人は二国間関係について話し合い、ブハリ大使はアウン大統領に 「レバノンへの人道的支援および安定と発展の達成を目的としたサウジとフランスの共同基金の仕組み」について伝えたという。
サウジアラビア、クウェート、その他湾岸諸国は、イエメン内戦に関するジョージ・クルダビ前情報相の侮辱的な発言に抗議する形で、10月にレバノンから大使を召還していた。
ブハリ大使がアウン大統領と最後に会談したのは2021年3月だ。この会談は、サアド・ハリーリ前首相が率いる政権樹立の試みが失敗し、ハリーリ前首相とアウン大統領の間で「政権樹立のプロセスをかき乱した」という非難の応酬が行われた後に実施された。
ベイルートへの帰任後、ブハリ大使は宗教当局、現・前首相や内相、外国人外交官、その他の政治家と会談を行った。
クウェートのアブドゥル・アル・スライマン・アル・ケナイ大使もベイルートに帰任した。ケナイ大使は水曜日にナジーブ・ミカティ首相と会談した後、「国交回復と大使の帰任はクウェートの取り組みが成功したことを意味している」と述べた。
またレバノンと湾岸諸国は双方とも、何よりも重要なのは国同士の長い歴史であり、「起きたことは過去のことであり、大使の帰任は兄弟国に利益をもたらすさらなる和解と協力につながる」と合意していると付け加えた。
水曜日に起きた今回の進展は、レバノン内戦勃発47周年と重なった。ハリーリ前首相はツイートで「レバノン人の苦しみは、様々な形で繰り返されている」と述べた。
一方、国会の合同委員会は水曜日、レバノン資本規制法の草案を承認することはできなかった。
財務予算委員会のイブラヒム・カナーン委員長は、「我々は現在の草稿に修正を加えている」と述べた。
銀行システムが麻痺し、預金者の米ドル口座を凍結させるに至った金融危機にレバノンが陥った2019年以来、政治家はこの法律の成立に失敗している。
正式な資本規制は国際通貨基金(IMF)の政策提言であり、レバノンはそこから支援策を確保することを望んでいる。
ビラル・アブドゥラ議員は、この草案には「欠陥があり、修正が必要だ」と述べた。
アブドゥラ議員はアラブニュースに対しに以下のように語った。「IMFの条件は厳しいです… 小麦粉や医薬品の補助が無くなったら、どうやって国民に顔向けすればいいのでしょう。財政破綻した国で議席を争うことに何の意味があるのでしょう」
「一部には、国の復興計画の前進を妨げている者もいます。しかし、国が財政破綻していることを忘れている者もいます。IMFとの交渉を止めてはならないのです」
先週行われたIMFチームとレバノン当局の予備的合意に対し、完全な財政破綻を防ぐためにIMFの条件を呑むよう圧力がかかっている。
預金者協会は、ベイルートで資本規制法の草案に抗議した。同協会の代表であるアラー・コーシド氏は、次のように述べた。「私たちのお金が盗まれ、その後に泥棒を保護する法律が制定されるというのは受け入れられない」と述べた。
一方レバノンの人権に関する米国務省の報告書は、「司法と司法業務に対する深刻な政治的干渉および、暴力、暴力の脅威、逮捕、ジャーナリストに対する不当な起訴、検閲、名誉毀損を犯罪とする法律の存在、インターネットの自由に対する厳しい制限などの表現とメディアの自由に対する厳しい制限、難民の生命または自由が脅かされる国への強制帰還」に関する信頼できる情報に言及した。
同報告書によると、「深刻な高位かつ広範囲の政治腐敗の存在」に言及し、「政府高官は司法手続きを免れる、あるいは影響力を行使するなど、人権侵害に対し不処罰となる事態を享受している」と付け加えた。
また同報告書では、「テロリストのヒズボラとパレスチナ民兵による非公式の拘禁施設 」にも触れている。