
レイ・ハナニア
シカゴ:ジョー・バイデン米大統領は、シリアでダーイシュから解放された地域やアサド政権の支配下にない地域に民間起業家が再投資することを容認すると述べた。
近東問題局シリア・レバント担当国務副次官補のイーサン・ゴールドリッチ氏は、このプログラムはシリア北東部および北西部に重点を置いていると述べ、安定化と「暴力的過激主義」の弱体化のために確保された米国の資金1億1千万ドルについて称賛した。
民間投資の認可に当たっては、民間企業がシリアの米国保護地域またはクルド人もしくはトルコの支配下にある12の経済部門に投資することが奨励される。
石油部門のほとんどは、北東部のクルド人統治機関によって管理されており、この認可措置には石油部門は含まれていない。
「我々の目的は、経済と安全保障の懸念を軽減し、テログループから解放された地域の必要不可欠なサービスを回復させることで、ダーイシュの復活を防ぐことだ」とゴールドリッチ氏は述べた。
「この一般ライセンスは、シリア北東部と北西部の非政権支配地域の経済状況を改善し、米国主導の対ダーイシュ安定化活動を支援するためのものだ」
「この認可措置は、シリア政府や他の制裁対象者との活動を許可するものではなく、既存のテロ対策制裁を変更するものでもない」
同氏はさらに、安定化活動には「必要不可欠なサービスの回復」と「シリア人が通常の生活に戻れるような生活機会の強化」が含まれると話す。
また、民間部門の投資により、帰還したシリア難民の支援もできるという。対象サービスは、農業、通信、医療サービス、教育など。
ゴールドリッチ氏は、このプログラムの拡大は、シリアの人々に救済と自由をもたらすために米国をはじめとする国々が主導している人道的取り組みを支援するものだと述べた。
「国際的な寄付の資金が手薄になっている」と、米国国務省が金曜日に主催した電話会議で同氏は付け加えた。「経済的な安定がなければ、これらの地域はテロリスト集団、特にダーイシュによる搾取を受けやすくなる」
「これらの地域への民間部門の投資は、テロリスト集団の募集や支援ネットワークを可能にする絶望的な状況と闘うことで、ダーイシュの復活の可能性を低減するのに役立つだろう」と同氏は続ける。
「米国の制裁は、政権と政権周辺の人々を対象としており、政権の支配下でもない地域にいる人々を対象とはしていない」
新政策は、アサド政権に対する「制裁を放棄するものではなく」、同政権とのすべての取引を引き続き禁止している。
「また、アサド政権によって、あるいはアサド政権のために指示される復興にも引き続き反対する。それは、シリア国民ではなく、政権の狭い利益にしかならないからだ」とゴールドリッチ氏は述べた。
「これは政治的なステップではなく、経済的なステップであり、非政権地域に住む人々の状況を改善し、仕事や生計を立てるのを容易にするための安定化のステップであり、人道支援や安定化支援だけでは入ってこないような収入を地域にもたらすものだ。他の民間部門の資金を、人々にとって有益な分野に開放するのである」
このテレビ会議には、国家安全保障会議イラク・シリア担当ディレクターのゼーラ・ベル氏と、経済ビジネス局で対脅威金融・制裁担当国務副次官補のエリック・ウッドハウス氏も参加した。