
アラブニュース
ダボス:イランは組織的に地域の安定を乱しており、イランによる核能力への探求をイスラエルは容認できないと、世界経済フォーラムで25日、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領が述べた。
「イラン政府は組織的に地域の安定を乱している。イスラエルと世界すべての国々は、イランがイスラエルおよび中東全域に及ぼす脅威を認識すれば、イランの核能力への探求を受け入れることはできない」とヘルツォグ大統領は語った。
イランからの潜入を受けた国や地域では、人民や領土から生活が奪い取られていると大統領は述べ、イラン政府は憎悪、痛み、苦痛を拡散していると付け加えた。
大統領は、イラク、イエメン、ガザ、シリア、レバノンで起きたことに言及し、「繁栄、自由、創造性、成長がすべて奪われている」と述べた。
「イスラエルは、イランの影響力による障壁を打ち壊し、我が国の繁栄と成功を近隣諸国と分かち合いたいと望んでいる。光の力を選択しさえすれば、これまでとは劇的に異なる明るい未来への道が想像以上に近いのだと私は心から信じている」とヘルツォグ大統領は語った。
大統領はまた、「レバント地域から湾岸地域、マグレブ地域からマシュリク地域、隣国のパレスチナから全イスラム世界、そしてアフリカ大陸全域、および中東全域に至るまで、イスラエルは常にこの地域の諸国に平和の手を差し伸べるつもりでいると付け加えた。
イスラエルとの国交正常化に関してサウジアラビアは湾岸の隣国であるアラブ首長国連邦やバーレーンと同じ道筋を辿ることになるかとの質問に対し、ヘルツォグ大統領は、サウジアラビアは「地域における非常に重要な国」ではあるが、アブラハム合意への参加に至るまでの道筋には時間をかける必要があると答えた。
「サウジアラビアは地域における非常な重要国だと考えている。そして、国交正常化の方向へ進むのであれば我が国としては非常に喜ばしいことだが、これは時間をかける必要のある道筋だと思う」と大統領はコメントした。
サウジアラビア外相のファイサル・ビン・ファルハーン王子は、24日の世界経済フォーラムで、イスラエルとの国境正常化に関するサウジアラビアのこれまでの立場を繰り返し、最近のメディア報道が裏付けのないままに変化を示唆しているが、実際のところは何も変わっていないと述べた。
「この問題に対する我々の見解は過去に何度も述べており、何も変わっていない。我が国は常に、国交正常化は最終結果ではあるが、道筋を辿った上での最終結果であるべきと捉えてきたのだと思う」とファイサル王子は世界経済フォーラムで語った。
「我々は常に、イスラエルとの完全な国交正常化が実現する日が来ると思い描いている。そして以前にも言ったように、我が国とイスラエル、地域とイスラエルとの完全な国交正常化は多大な恩恵をもたらしてくれることだろうが、同時に、パレスチナ問題に対処しなければそうした恩恵を受けることはできないだろう」と外相は述べた。
ヘルツォグ大統領は、パレスチナ系アメリカ人のベテラン記者、シリーン・アブアクラ氏の殺害についても触れた。アブアクラ記者は5月11日、ヨルダン川西岸地区ジェニンで難民キャンプに対するイスラエルの襲撃を取材中に殺害された。
「当然のことながら、これは非常に悲しい出来事であり、私も多くのイスラエル人も非常に心を痛めている」と大統領は述べた。
イスラエルはこの「悲劇的な事件」の発生状況に関する共同調査を申し出たが、パレスチナ側が協力を拒んだのだと大統領は語った。
「パレスチナ側が遺体を持ち去り、弾丸を持ち去ったが、それらの事実がなければどのようなシナリオも実証不可能だ。また、イスラエルは公明正大かつ透明性ある態度で、米国にもこの調査の参加を申し出た。我々は、言論の自由、そしてジャーナリストや報道機関の活動を非常に重視しており、尊重しているからだ」と大統領は付け加えた。