
エファレム・ コッセイフィ
ニューヨーク: 25日、ヨルダン首都アンマンでイエメン政府およびイランの後見を受ける武装組織フーシ派との間で交渉が始まった。タイズとその他の県で実施されている道路封鎖の解除をめぐるもの。
一連の会談は国連の支援を受けおこなわれている。会談はラマダンが始まる4月に合意が成立した2カ月の停戦の一環だと、国連イエメン担当特使のハンス・グルンドベルグ氏は語る。同氏によると停戦は6月2日には期限を迎えるが、停戦延長に向け当事者すべてにはたらきかけをしているところだという。
グルンドベルグ氏は全関係者に対して「誠実な」交渉を呼びかけるともに、イエメン国民の移動の自由を取り戻し、生活環境を改善することで合意にいたるよう取り急ぎ行動に移ることを求めている。
「イエメンの人々にとって、道路封鎖による影響に苦しめられる期間があまりにも長かった。タイズにしろどこにしろ封鎖された道路が開くことは停戦の重大な部分だ。これにより前線によって分断された家族がふたたび会うことができるし、子供たちは登校できるし、市民は仕事に出かけ通院もできるようになる。生活に必要な商取引も再開できるのだ」
同氏はまた、停戦の一環として、サヌア空港を発着する商用便の再開に向けた合意の取り組みにも重大な進展があったとしている。これまでに1,000人を超える乗客の利用があり、便数も増えている。サヌアとエジプトのカイロを結ぶ飛行便の再開についても現在諸準備が進められているところだ。
「これによりさらに多くのイエメン人が海外へ渡航して医療を受けたり教育や商業活動の機会を得たり、また家族のもとを訪れたりできるようになるはずだ」。そう語るグルンドベルグ氏は航空便の手配に尽力したエジプト政府についても謝意を示すとともに、「国連が進める平和への取り組みを積極的に支援してくれたことはありがたい」とした。
民間人の犠牲が劇的に減るなど、停戦が開始されてからイエメンでは戦闘行為がおさまっている。とはいえ、ここ数週間のうちではイエメンの一部地域で戦闘が継続し民間人の犠牲が発生しているとの報告もあり、グルンドベルグ氏は懸念材料としている
同氏は、「停戦を遵守するために最大限自制してもらいたいし、民間人保護の国際法のもとで義務も果たしてもらいたい。当事者には私はそう求めている」とし、停戦条件を受け入れた当事者すべてにはたらきかけ「紛争の回避、縮小、解消」の実現にひきつづき当たりたいと明言した。
さらに同氏は語る。「停戦の結果、イエメンの人々の日々の暮らしは目下明らかによくなっている。当事者には停戦を継続してこうしたイエメンの人々にとっての利益を拡大強化させる必要がある。国民は7年以上内戦に苦しめられているのだ」
「今回の停戦は、過去の暴力や苦難と訣別しイエメンの平和な未来へ向けて歩みを進める絶好の機会だ。当事者はこうした機会を逃してはならない。それには、紛争の包括的な政治的解決を下支えするため、停戦の履行、さらには継続、そして安全保障や政治の問題、歳入・給与などといった経済の問題についてより持続的な解決法の交渉をおこなうことだ」
「イエメンの平和のため、こうした見込みを損ねることなく成し遂げる責任が当事者にはある」