エルサレム: エルサレムで今週、ユダヤ人民族主義者による行進があり、その中で、人種差別的スローガン、パレスチナ人への暴行、パレスチナ人資産の破壊行為などが発生したが、イスラエル警察は数十名のパレスチナ人を逮捕するのみで、ユダヤ人の逮捕者は皆無であった。イスラエルの新聞が報じた。
イスラエル警察は、5月29日の行進後に60人余りを逮捕したと発表したが、その内訳に関する記者団の質問には回答を拒否した。ハアレツ紙の6月2日付記事によると、同紙が逮捕者の記録を一人ずつ調べたところ、ユダヤ人は皆無であり、関連する別の事件でユダヤ人2名の逮捕があったのみだという。
数万人のイスラエル民族主義者が参加した29日の行進は、1967年の中東戦争におけるイスラエルの東エルサレム占領を祝って毎年行われるものだ。パレスチナ人はこの行事を挑発と捉えている。
行進参加者たちは、旧市街のパレスチナ人居住区を通り抜けてユダヤ人街区へ入り、「嘆きの壁」まで進んで祈りを捧げるのだが、イスラエル警察が行進参加者らのために地区一帯の警備についていた。大群衆は、その多くがイスラエル国旗を掲げたユダヤ原理主義の若者で、旧市街のイスラム人街区へと入る門に集まり、「アラブ人に死を」などと叫んだり踊ったりして先へ行進した。
旧市街では、行進参加者たちがパレスチナ系事業所の門を叩き、怒ったパレスチナ系住民たちと乱闘になった。SNSの動画には、行進する人々がパレスチナ系の住民やジャーナリストらに唾を吐き、殴りかかり、催涙スプレーを吹きかけるなどの様子が映っていた。行進ルート上では乱闘が起こり、警察は主にユダヤ人を守り、パレスチナ人を強制的に追い払うという形で介入した。
ハアレツ紙の記事によると、2日に逮捕されたほぼ全員がパレスチナ人であった。行進後に、旧市街の外の暴動でパレスチナ人記者を殴打したとして、ユダヤ人容疑者2人が逮捕されたという。
同紙は、行進後の数日間の裁判所記録を調べ上げてこの統計を作成した。
イスラエル警察はコメント要請に応じていない。ナフタリ・ベネット首相は、行進に参加した人々のうち、今回の問題行動について責任があるのは極少数だとし、法を犯した者は誰であれ起訴すると誓った。
東エルサレムのパレスチナ系住民は長年、ダブルスタンダードを訴えてきた。パレスチナ系住民は頻繁に逮捕され、棍棒や催涙ガス、ゴム弾などの暴力的な方法で警察に追い払われる一方で、ユダヤ人入植者は実質的に何の咎めもなく、攻撃や破壊行為を行っている。
AP