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米国が「イランを牽制」するためにファランヘ党ヒズボラを攻撃

イラク、カーイムにおける米国の空爆後、ファランヘ党ヒズボラの兵士が本部の被害状況を調査している。(AP)
イラク、カーイムにおける米国の空爆後、ファランヘ党ヒズボラの兵士が本部の被害状況を調査している。(AP)
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01 Jan 2020 02:01:38 GMT9
01 Jan 2020 02:01:38 GMT9

ラー・グラッブ バグダッド

  • イラク政府は攻撃に関して米国との関係の「見直し」をすると牽制した
  • 米国当局は、イラクが軍隊を守ることに失敗し、イランがワシントンの戦略的忍耐の足元を見たと話した

米国当局が月曜日に語った内容によれば、空爆は、米国の「抑止能力」を回復することを目的として、イランが支援するイラク・シリアの民兵隊に対して行われた。

このコメントは、ファランヘ党ヒズボラの5つの基地を攻撃したことに関してイラク政府が米国との関係の「見直し」を口にして牽制したことで出された。

アル・アラビアの情報筋が火曜日に報告したところによれば、駐イラク米国大使が行き先を明らかにしないままバグダッドを発った。

イラク国家公認の民兵隊を標的とし、これまでにない大規模な空爆は、米国人請負業者1名を死亡させた先週の米国軍基地へのロケット攻撃に米国が応戦したものだった。

「これは、イラクにいる米国軍および米国市民の保護を目的とした防衛行為でしたが、私たちはイランの攻撃に対して再び牽制をするミッションにも取り組んでいます」と米国のイラン特別代表、ブライアン・フックは述べた。「あれほど多くの攻撃を受けたからには、大統領が米国軍に、イラン政府にわからせるため、応戦を命ずるのは重要なことです。」

米国の軍事行動は、テヘランが核開発計画縮小の国際合意から離脱し、ワシントンがテヘランへの制裁を強化した後の、米国とイランの間の最新の緊張状態を表している。

ファランヘ党ヒズボラは、国民動員軍として知られ、その多くがイランの支援を受けている国家公認民兵隊の傘下で作戦を展開している。

同グループは、月曜日に、空爆で25名が死亡し、「邪悪な米国の暗黒の攻撃」に対して厳格な復讐をすることを誓ったと話した。

スポークスマンは、ワシントンが同グループを攻撃する口実としてロケット攻撃を利用していると主張し、米国の空爆は、アメリカ人請負業者が死亡したものを含む米国軍基地へのロケット攻撃の黒幕であることを否定した。

イラクのアデル・アブドゥル・マフディー首相は、月曜日に、空爆を「危険な結果を生むであろう受け入れ難い残忍な攻撃である」と非難した。

国家安全保障会議が声明の中で述べたところによれば、イラクは空爆によって、ダーイシュ(ISIL)に対する米国主導の国際連合組織との協力体制の見直しを強いられるだろう。イラク外務省は、駐バグダッド米国大使を召還すると述べた。

しかし、ワシントンは、イラクが米国の利益の「保護」に失敗したとしてイラク当局を非難し、反論した。

「私たちはイラク政府に何度も警告しました。また、私たちは彼らに招かれた客であり、彼らが責任をもって私たちを保護することができるよう、彼らと情報を共有してきました」と米国政府高官は語った。

米国は、イランの牽制およびテヘランに起因する一連の攻撃に応じて、同地域の駐留軍を増強した。その中には、同地域の国際輸送品に地雷を埋めたり、サウジアラビアの石油施設へのドローンの発射やミサイル攻撃が含まれる。

国務次官補(近東担当)のデヴィッド・シェンカーは、ドナルド・トランプ大統領が、イランが支援する5月以降の11回の攻撃に応えて「戦略的忍耐」を執行したと話した。

しかし、シェンカーによれば、イラン人は過去数年間、無反応であることを「弱さと理解し、継続的に限界に挑んできた」。

シェンカーは、日曜日に攻撃された場所は、「目立つ目標物であり、国境のシリア側の目標物は多くの点においてさらに目立っている」と述べた。

フックとシェンカーの両方が話したのは、米国は同地域における攻撃の拡大を望んでおらず、むしろ、「段階的縮小」を望んでいるということである。

フックによれば、米国は5月以降、「同地域への自国の軍隊の配置を、特に防空を強化したサウジ(アラビア)に関して、14,000分増強した。

彼は、米国が地域の同盟国、特に「イランの攻撃の前線にいる国」と「実際の活動かネット上かは別にして、イランの攻撃から身を守るために」非常に緊密に連携して取り組んでいると述べた。

米国は、ダーイシュとの戦いの支援に役立つよう、イラク政府の招きでイラクに5,000強の部隊を維持してきた。

国民動員軍の責任者は、米国のミサイルの一つが兵士が午後に仮眠していた部屋に当たり、屋根の崩壊によって、何名かが死亡したと話した。

テヘランでは、外務省スポークスマンのアッバス・モウサヴィが、ファランヘ党ヒズボラを「明らかなテロリズムの例」として攻撃しているとして米国を非難し、イラクの統治権を無視しているとしてワシントンを非難した。

イランが支援するレバノンのヒズボラもまた、攻撃の実行を決断した人物は「すぐにこの犯罪的な決断が愚かだったことを知るだろう」と語って「米国の残忍な攻撃」を強く非難した。

ファランヘ党ヒズボラは、イラク屈指の有力者であるアブ・マフディー・アル・ムハンディスが率いている。彼はかつて、米国部隊と戦った経験があり、現在は国民動員軍の副元帥である。2009年に国務省は彼をイラン革命防衛隊のエリート・コッズ部隊と関連付けた。コッズ部隊は、ドナルド・トランプ大統領が今年はじめに海外テロリスト組織に指定している。

アメリカ人請負業者が死亡した攻撃と米国の反撃が何ヶ月にもわたるイラクの政治的混乱になっている。反政府抗議活動で約500名が死亡したが、死亡した活動家のほとんどがイラク治安部隊によって殺害された。

大衆の暴動でアブドゥル・マフディーが先月、職務代行権を手にしたままで辞任した。

アブドゥル・マフディーは声明の中で、日曜日の米国の攻撃の30分前にエスパー米国防長官から電話があり、金曜のロケット攻撃の黒幕と思しき民兵隊の基地を米国が攻撃する意図があると告げられたと語った。アブドゥル・マフディーは、自分がエスパー米国防長官に米国の計画をやめるように頼んだと話した。

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