
ベイルート:レバノン軍は火曜日、ヨーロッパを目指してレバノン北部から航海を試みていた64人の移民を逮捕したと、軍司令部が発表した。
軍の発表によると、レバノン人、シリア人、パレスチナ人の移民は、出血により病院へ搬送された妊娠中の女性1人を除き、全員が拘束され、取り調べを受けているという。
発表によると、移民らは船が出航できる前に、レバノン北部の都市トリポリから数キロメートル離れたシェイク・ザナド地域で逮捕された。今回の未遂事件の数週間前の4月23日には、60人の移民を乗せた船がトリポリの沖合で転覆するという事故があった。トリポリは、レバノン第二の大都市であると同時に、最も貧しい都市である。
事故後、7人の遺体が回収され、47人が救出されたが、依然として行方不明の者もいる。当時の生存者は、移民の船に体当たりをして事故の原因を作ったとして、レバノン海軍を非難した。
レバノンは何年もの間、難民の移住先として知られていたが、2019年末に経済危機を迎えてから、何千人もの人々がヨーロッパでのより良い暮らしを求め海路で国を去っている。
レバノンは人口600万人の小国であり、そのうち1万人は2011年に勃発した戦争を逃れて移住してきたシリア難民である。またレバノンには数万人のパレスチナ人が暮らしており、その多くは1948年のイスラエル建国に伴い難民となった人々の子孫である。
移民の多くは、キプリス、ギリシャ、イタリアなどのEU加盟国に船で連れていくと約束する密入国業者に数千ドルを支払っている。
AP