エルサレム:パレスチナ保健省と目撃者の話によると、イスラエルの入植者が21日、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ側と衝突し、男性を刺殺した。
イスラエル警察の広報は誰が刺したかは不明だとしている。警察は調査を行ったが、逮捕者は出ていない。
パレスチナ保健省は、アリ・ハサン・ハルブという28歳の男性が入植者に胸を刺されたと述べている。
「入植者が私たちの土地にやって来たという話を聞いたので、私とアリのほか、3人が現場へ向かった。そこには入植者がいた」。イスラエルの入植地「アリエル」付近の村「イスカカ」に住むパレスチナ人(匿名を希望)はそう話す。
「私たちは入植地を追い出したが、彼らは戻ってきて警察と軍隊も到着した。大人数でやって来て空に発砲し、私たちに銃を向けた。追い出した入植者の1人が襲いかかってきて、アリを刃物で刺した」
パレスチナ外務省は事件を非難している。
両者の対立により死者が出る事件は、ここ数か月にわたって西岸地区で増加している。
米国が仲介した和平交渉では西エルサレムや西岸地区、ガザ地区にパレスチナ国家を樹立することを目指したが、2014年に崩壊した。合意が復活する兆しは見えない。
米国のジョー・バイデン大統領は、7月中旬の中東訪問でイスラエルとパレスチナの指導者と個別に面会する予定。
大多数の国はイスラエルの入植活動を国際法違反と見ているが、イスラエルはそれに異議を唱えている。
ロイター